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一日5秒を私にください  作者: あおひ れい
一年365日を私にください
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最愛と皆の新たな生活 4






それから一月の間、テオルドや屋敷の使用人達、ハウザー達の努力によってユフィーラは日々少しずつ表情が顔に出るようになり、言動も滑らかになり自分の主張も少しずつだが言えるようになってきた。






この日テオルドはルードに乗れるようになったユフィーラと共にトリュスの森へ赴いていた。


中央付近に辿り着きレノンとルードから降りた二人は、中心にあるそこだけ陽の当たる大きな木の場所まで歩いていった。



「ここの森は全体が鬱蒼とする雰囲気があるのに、怖いという感じがしませんね」



森を見渡しながら感想を話すユフィーラにテオルドは淡く微笑む。



「この森は人を選ぶと言われている。中心部分の魔素が濃いという理由もあるが、それだけではないらしい。人によっては気分が悪くなったり不快な感じが拭えないそうだ」



そうなんですね、と答えながらもユフィーラは森の方をじっと見ている。


テオルドはここに連れてくるかどうか正直迷っていた。


中心部の大きな木の窪みに座っていたユフィーラが目を閉じて動かない姿を二度見ているテオルドの絶望的な思いは失くならない。


ユフィーラに思い出して欲しいという気持ちはあれど、『あのこと』も全て思い出すということだ。忘れた方がと思いはしても、彼女がそれを望むとは思えない。でもそれでもいつか思い出して欲しいという錯綜した思考がテオルドの頭を巡る。



「テオルド様?どうしましたか?」

「いや、ここに来ると色々と思うことがある」



そう言うと、ユフィーラは微かに首を傾げ、だが何をとは聞かずにまた視線を森に向けてからゆっくりと歩み始めた。


向かうところは中心部にある大きな木の下。

そこだけ陽の光が当たり幻想的な雰囲気を醸し出している。


無意識に早まる心臓にテオルドはゆっくりと深呼吸してユフィーラの後を歩いて行く。


ユフィーラは大きな木の窪みの所の手前まで来て、陽が差す上を仰ぎ見る。そして顔を戻してテオルドの方を向いた。



「とても神秘的な空間ですね。それでいて何故かとても安心します。私はこの場所が好きなようです」

「…そうか」



ハウザーが以前にユフィーラはトリュスの森に選ばれたと言っていた。彼の魔術の影響もあるのだろうが、森自体がユフィーラを受け入れている節があるのは確かだろう。





ガダンが「あの森は二人にとって何の障害もないんですから、ついでにピクニック気分でも味わってきては」と持たせてくれたサンドイッチを中央付近から少し離れた場所に移動して食べた。


今のユフィーラは「おいふぃ!」と美味しさの表現を前面に出すことはないが、ガダンが作ったサンドイッチをぱくりと食べる度に目を輝かせながら頬張っている姿にテオルドは笑みが溢れる。



「あの…テオルド様」



二つ目のサンドイッチを食べ終えたユフィーラが意を決したようにテオルドに向き直った。



「ん?もう一個食べるか?」



そう言ってサンドイッチを取り出そうとする。



「ち、違います…!私が話しかける時は食べ物のことだけではないのですよ…!」



心外だとでも言うようにユフィーラが頬を染めながらもそう主張する姿に、テオルドはだいぶ自己表現が出来てきたことに安堵しながらユフィーラの柔らかいミルクティー色の髪を撫でた。



「そうか、悪かったな。あまりに美味しそうに頬張っていたから」

「それは…勿論ガダンさんのサンドイッチが美味しいのは当然で、大きな口を開けて頬張ってしまうことは否めません…」

「そうだな。ユフィーラが頬を膨らませて口を動かす仕草は可愛いから」

「っ…」



テオルドの率直な好意の言葉にユフィーラはぽぽっと頬を染める。その姿が出逢った当初に5秒だけと抱擁をする時の表情と重なってテオルドは胸の奥に切ない痛みを覚えた。



「…テオルド様。…前の、わ、私はテオルド様とハグをしていましたか?」



少し俯き加減に尋ねるユフィーラの質問に、まるで今思ったことを見透かされたような気がしてドキリとしたが、何とか表情を崩さずに答える。



「そうだな。毎日していたな」

「そうなんですね…先日パミラさん達と話をしていた時にハグの話をしました」

「ああ」

「その時に、私は昔…男爵家に居た頃、ハグというものをしたことが無かったので、アビーさん達に初めてハグをしてもらって、凄く…温かい気持ちになりました」

「そうか」



撫でる手を頬に移しながらテオルドは滑らかな頬に親指を添わせた。その仕草にユフィーラが更に頬が染める姿に愛しさが増す。



「…その時に、私の話…前の私の話をお願いして話してもらいました。婚姻当初は5秒だけテオルド様とハグをしていたことがあると。何で5秒だけなのかと聞いたら、テオルド様本人に聞いた方が良いと言われました。これはテオルド様と私、との物語だからと――――――私とテオルド様の馴れ、初め…?というものを聞きたいのです」



その言葉にテオルドは様々な想いが走馬灯のように駆け巡り胸がぎゅっとなった。



「…ユフィーラ自身がそれを望む?」

「はい。以前リリアン医師から大まかな話しを聞きはしましたが、男爵家から逃げ出した私がどうやってテオルド様と出逢って、今こうして共にいるのかということをテオルド様本人から聞きたいと思いました」



ユフィーラの澄んだ瞳には憂う眼差しは無い。純粋に自分とテオルドのことを知りたいのだろう。



「わかった。ちょっと移動しようか」



食べ終えたものを片付けてテオルドはユフィーラに手を差し伸べた。それに躊躇なく手を伸ばすユフィーラにテオルドは嬉しくなる。


テオルドは己の虚弱な精神をユフィーラと共に居ることで記憶を塗り替えてやろうと思い、敢えて大きな木の窪んだ場所にユフィーラを誘導した。


ユフィーラがすっぽりと嵌まるくらいの場所なので、二人で座るには些か狭く感じるが、ユフィーラは怯える様子もなく頷いてテオルドの隣に座った。



「皆から大まかな話は聞いているとは思うが、全部聞きたいと思うのか?」



その言葉にユフィーラは考える素振りすら見せずに頷いたので、テオルドはユフィーラとの邂逅を話し始めた。



「あれは俺が、数年前に隣国…ユフィーラの母国だな。イグラス国と冷戦状態にあった――――――」



テオルドはユフィーラと出逢ったトリュスの森での話から入り、森で魔術を使っていたテオルドの瞳が印象的だったこと。当時人嫌い真っ盛りだったテオルドの話の流れでリカルドと契約婚姻の話を耳にしたユフィーラが、一年間の契約婚姻をテオルドに打診してきたこと。


その際にお互いの条件を提示し、殆どユフィーラには利のない内容にテオルドが何かないのかと尋ねたところ、一日5秒だけハグをして欲しいと頼んできたこと。


そしてその時既にユフィーラは不治の病で体が蝕まれていたこと。


屋敷に来たユフィーラは終始朗らかで明るく、当時は興味が皆無で碌な対応すらしていなかったテオルドに対してもいつもにこにこしていて屋敷の皆とも仲良く暮らしていたこと。


病気の中期に差し掛かっても、時折訪れる激痛に耐えながらも自分が精製した薬を駆使して、テオルド始め屋敷の誰にも伝えずに耐え抜いていたこと。


その上で契約婚姻をした理由は、自分が居なくなっても支障がないと思っていたこと。


残った時間をめいっぱい生き抜こうと邁進し、テオルド始め屋敷の皆の意識を変えさせたこと。


人に無関心だったテオルドがようやく意識し始めた時にはユフィーラは後期に入り一歩間違えれば救えなかったこと。


そしてテオルドは今後何をするにも己と向き合いユフィーラと共に生きていこうと思ったこと。



話すテオルドに対し、ユフィーラは終始口を挟まずに聞き入っていた。



「そんな経緯があったのですね」

「ああ。俺だけでなく皆が歩む行き先を良い方向に変えられることが出来たんだ」

「5秒だけと言うのは…」

「俺に迷惑や鬱陶しがられないようなユフィーラの配慮。望んでいたのはたったそれだけだった……最後の、最期まで」



あの時のことを考えると今でも心に鋭い痛みが奔るが、これは一生テオルドが背負うべきものであり、戒めとして今後にそのようなことが絶対に起こらないように必要なものだと思っている。



「あの、…――――ハグ、のことですが…」

「ああ」

「……今の私はまだ精神年齢が幼い、というか、あまり分かっていない部分も沢山あるのですが…――――テオルド様とハグ、してみたいです」



両手をもじもじさせながらも何とか言葉を繋げるユフィーラにテオルドは瞠目した。


日々握手をしたり頭を撫でたりしていたが、テオルドはまだユフィーラ自身が記憶上十五歳であること、特に男性との触れ合いに関しては細心の注意を払っていた。


内心アビー達からハグをしたことを聞いた時に心がざわついたが、それでも夫ではあるが男だという事実がユフィーラを戸惑わせないようにテオルドは努めていた。



「ユフィーラがしてみたいと思うのか?」

「…はい。アビーさんがハグにも色々な気持ちがあるのだと教えてもらいました」

「そうか。―――――ユフィーラ」



名を呼ぶとユフィーラが受け入れてくれるか否かと不安そうな表情をする。


テオルドは軽く両手を広げた。



「おいで」



ユフィーラは目を見開いた。その瞳は驚愕ではなく喜び。


テオルドの胸も歓喜に踊る。首を僅かに傾げながら両手をもう少し広げて、「おいで」ともう一度伝えると、ユフィーラは頬を真っ赤に染めながらもテオルドの胸元に体を寄せて腰に手を回した。



(――――――ああ、ユフィーラだ)



心と体が同時に膨れ上がるような喜びの感情に包まれる。

掻き抱きたいのを全力で抑えて、ゆっくりと背中に手を回してユフィーラを包み込んだ。



「―――ほ、んとうに…」



暫し無言でハグしていたユフィーラが少し掠れたような声で囁いた。



「本当に?」

「…本当に、テオルド様は私の旦那様なのだと、わかったような気がします―――伝え方が難しいのですが、きっと…――――私の奥底の、前の私…が覚えているのでしょう。体中がざわっと蠢くような、凄く嬉しい、凄く幸、せなのだと、わかりました」



テオルドは思わずユフィーラの頭に頬を押し付ける。そして我慢できずに頭部に口づけを落とした。そしてそれにユフィーラは体を強張らせる様子もない。



「そうか。一緒だな」

「…一緒?」

「ああ。俺も全身で幸せだと感じている」

「っ…そう、なんですね」



何とかそれだけ答えて恥ずかしかったのか、ユフィーラが胸元に顔を埋めてしまったので、テオルドは蕩けるような表情になってしまう。


テオルドは以前ユフィーラとここに訪れた時と同じ格好で木の窪みに座り直し、ユフィーラを囲むように抱きしめた。



「前の話だが…ユフィーラが言っていたことがあった。聞いてくれるか?」

「はい。テオルド様と皆さんの配慮はとても嬉しかったです。まだ未熟ではありますが、少しずつ自分自身を受け入れてくれる皆さんに応えられるようになりたいと思いました。前の私の話を皆さんから沢山聞きたいです」



それを聞いて、テオルドはやはりユフィーラはユフィーラなのだと再認識をする。ユフィーラを慕う皆からの対応はユフィーラが今までしてきたことの鏡なのだと思っている。


テオルドは以前にユフィーラを連れて行った海の話を始めた。



「――――その時にユフィーラがふと呟いたんだ。過去に戻れたとしたら、昔の自分に言ってあげたいことがあると」

「過去の自分…」

「ああ。今は色々大変でも、未来に幸せが待っているから、頑張れ…ではないな。ずっと頑張っていた筈だ。…踏ん張れと。その時まで前を向いてと言ってあげたいのだと」



ユフィーラが目を見開いてテオルドを見る。



「私が…私に」

「ユフィーラがユフィーラに。きっと自分の気持ちは自分にしかわからないからこそ、そう言ってあげたかったのかもな」



ユフィーラの澄んだ紺色の瞳が潤む。



「っ…そうですね。私も、…気持ちの拠り所がない時、……是非聞きたかったです」



過去の境遇を思い出しているのだろう。幸せ…普通すら程遠かった人生を送っていたユフィーラ。

もしその言葉を聞けたなら一時でも心が休まった時があったのかもしれない。


テオルドはユフィーラの頭や頬を撫でながらどうか今のユフィーラが心穏やかであることを祈った。








「テオルド様に、お願いごとがあるんです。――――一緒に見てもらいたい場所があります」



屋敷の戻ったユフィーラが開口一番にテオルドを仰ぎ見ながら話しかけた。



「ああ。場所はどこだ?」



快諾するとユフィーラは安堵した表情になり「私が使わせてもらっている部屋です」と答えた。


二人でユフィーラの部屋に入ると彼女は部屋の奥にある一つの扉に向かい立ち止まった。



「そこは…」



テオルドの言葉にユフィーラは一つ頷いた。



「はい。前の私が使っていた薬を精製する場所です。私が目覚めた翌日、アビーさんに部屋の中を説明してもらっている時に聞きました。当初の私は頭の中がまだ上手く纏まっておらず、且つ前の私という記憶のない部分を知ることに躊躇して、…その日からずっとこの扉を開けないままでいました。…前の自分を知りたくないような、今の自分と比較してしまうような…上手く表現できないのですが、そんな感じの心境だったんだと思います」



テオルドもアビーから報告を受けていた。ユフィーラから部屋の中を聞かれ答えた時に彼女の瞳が陰ったのだと。だから本人が見たいと望まない限りこちらから誘うことはしないようにしていた。



「でも今は…テオルド様や皆さん、先生達が私を一人の人間として、前の私ではない私として接してくれます。無知で何もわからなかったのですが…それでもその心遣いがとても嬉しくて。そのおかげで私は前の私のことも知りたいと前向きな思いを持てるようになりました」



そう話すユフィーラの表情は嘘偽りの無いものだった。テオルドは頷いてその扉を開けた。


その部屋はユフィーラが逆行してから定期的にパミラが管理してくれていたので、埃もなく綺麗な状態が保たれている。


そこまで大きくはない衣装部屋として、この屋敷に何故か作られていた部屋に窓はない。

だがユフィーラとしては閉鎖的ではあるが精製に集中出来るのだと言っていた。


シンプルな大きな机には色々な精製道具類が並んでいる。


そしてその向かい側にあるものを改めて認識した時、テオルドは最近なるべく考えないようにしていた想いが一気に噴出し、胸が潰れそうになった。




そこにはネミルの渾身の保管魔術を駆使して作ったガラスケースに入った婚姻衣装のドレスとヴェール。ブーケや髪飾りに引き出物の袋も。その隣のチェストの上には海に行った時にお互いに贈りあった巻き貝の置物と、いつの間にか移動されていてテオルドが触れることすらできないテオヒョウとハウジャガーが厳かに並んでいる。



今のユフィーラが『ユフィーラ』であることは勿論理解しているし、日々テオルドを見る綺麗な紺色の瞳から感じる信頼を積み重ねてきている過程が嬉しい。


そしてテオルドが関わることができなかった過去のユフィーラの記憶を少しでも救える欠片にでもなれるなら、こんなに幸せなことはない。



それでも。



テオルドが初めて出逢ったユフィーラは今ここに、今の記憶にはないのだ。



テオルドとの日々の想い出が真っ更に消えてしまっていることがこんなにも辛くて苦しい。



理解はしているが納得することがどうしても出来ない。出来るわけがない。なかったことになどしたくもない。




その時。ふと頬に温かいものが触れた。



「テオルド様」



それはユフィーラの手だった。今までユフィーラ自らが進んで触れることはなかった。

ユフィーラが親しみを込めるようにテオルドの頬を撫でる。



「ユフィーラ…」

「とても苦しそうです」



ユフィーラが真っ直ぐな目で見てくる。

テオルドの大好きな愛しい紺色の瞳だ。



「私は皆さんのおかげで前を向けています。……そして今願う思いは、一日も早く前の私に戻りたい」



その言葉にテオルドは瞠目した。



「テオルド様や皆さんがいつも言ってくれました。今の私も大事だと。ならば私もそんな皆さんを私は大事にしたいですし、憂いも払いたい。だから、…融合?した私に戻りたいと毎晩眠る前に祈っているんです」



ユフィーラの瞳が緩む。そして微かに、本当に微かにだが心からの笑みが溢れる。



「…フィ…ユフィーラ」

「フィー、でしたよね?初日以降その呼び名を私は聞いたことがありません。それはテオルド様の今の私への配慮です。それならば、その呼び方は戻った私の為にとっておいてくださいね」

「っ…」

「テオルド様だけが呼ぶ愛称なのだと聞きました。そしてそう呼ばれるようになった経緯を思い出すことを楽しみに、祈りだけでなくより強い呪いの如く毎晩願います。ですから遠からずきっと戻ると思います」



テオルドは目を潤みそうになるのを瞬きで耐える。



(フィーは……フィーでしか、ない)



その言葉に尽きる。


人の機微に敏く、それを掬い取って汲んでくれることを流れるようにする。

それにテオルドだけでなく皆が何度となく救われたのだろう。



「―――――でも、もし…―――もし私の記憶が、今の私の記憶が…消えてしまったら。――――その時は戻った私に話してくれると嬉しいです。…状況は違うけれど、今この場にいて生きていることに、…今まで踏ん張って…?きた甲斐があったのだと、…伝えて欲しいです」



テオルドはもう我慢出来なかった。ユフィーラの手を引いてぎゅっと抱き締める。


強張られることを覚悟していたが、ユフィーラはすとんと抵抗することなく、テオルドの胸の中に入ってきた。そしてゆっくりと手を腰に回してきた。



「…5秒、で満足していた『私』の気持ちがわかるような気がします」

「俺は足りない。…そんなものでは到底足りない。―――――俺はとても我儘で強欲だ。以前のユフィーラだけでなく、今のユフィーラも共でないと困る。絶対それも一緒に呪ってくれ」



美味しい美味しいと頬を膨らませながら幸せそうに食べるユフィーラ。


満面の笑みで今日のテオ様も最高で大好きです!と恥ずかしげもなく正面から全力で伝えてくるユフィーラ。




慣れない接しや触れ合いでも、両手をもじもじさせながらも享受するユフィーラ。


沢山の初めての経験を紺色の瞳を煌めかせるユフィーラ。




テオルドは全てのユフィーラを望むのだ。




「はい。私の威信にかけて臨みます」



ユフィーラの腰に回した腕の力がきゅっと強まった。


心配をかけさせてしまったことにテオルドは申し訳なくなる。それでも抑えていた気持ちが溢れてしまうほど、やはり堪えてはいたのだと思い知った。





テオルド達は暫く抱き合っていた。







不定期更新です。

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