第1章 第5話 ファイの村への道中
街道を、ファイの村に向かって歩き出し、途中ホーンラビット・ゴブリン等を討伐しながら、街道を進むと、喧騒がしており、街道の先で商隊と護衛、グリーンウルフ・グレーウルフの群れでの戦いだった。
よく見ると、護衛は昨日〖精霊の泉亭〗で話をしたパーティー達で、商隊を守りながら、グリーンウルフ達を相手にしていた。
グリーンウルフ・グレーウルフの群れは、20匹位でよく統制されており、ヒット&アウェイで消耗を狙っている様だった。
「加勢に入ります!!」
セイヤは、大きな声で声を掛け、《土魔法》で商隊を囲み、入口を一ヵ所にし、外側を大きな壁で囲み逃げない様にし、《闇魔法》の催眠で眠らせていく。
一回りし、全てを眠らせていくと
「ありがとう! 助かった! 止めはしていくよ!」
《土魔法》を解除していき、護衛のパーティーと話をする。
「遺体は、こちらで一度回収していいですか? 解体して、討伐部位と革にします。」
「全部か? 折半でどうだ!」
「あ、いえ! 解体だけで、討伐部位と革は、止めを刺した、そちらでお持ち下さい。」
「えっ、全部は君に悪い。 折半にしよう。」
「見かけた事の無いウルフが1匹、グリーンウルフが、21匹居ました。 グレーウルフと思われる牙と革、21匹の牙と革、グレーウルフの魔石と21匹の魔石です。」
「早い解体だな! ボックス持ちか? では、グリーンウルフの牙と革、魔石を11もらっていっていいのか?」
「商隊に、積めるだけ持っていって下さい。 加勢しただけですから グレーウルフの牙・革・魔石も有りますし」
「君の取り分が失くなってしまう! 流石に、其はこちらの立つ瀬が失くなる。」
「そちらのパーティーは6人、素材を1/7にして、3匹分、グリーンウルフ3匹分の素材をもらっていきます。」
「いや! 責めて、グレーウルフの素材はそちらで 最も、こちらも全ては持っていけないしな」
「ありがとございます! では、グレーウルフ1匹と、グリーンウルフ2匹の素材は取り分として、持っていけない分は、こちらで買取りするというのはどうでしよう?」
「えっ、買取り? そんな事出来るのか?」
「どれだけ残していくか、にもよりますが…」
「買取りが出来るなら、全部買い取ってもらっても、こちらは助かる」
「全部ですか、グリーンウルフ19匹分となると、銀貨171になります! そんなには、手持ちがありません」
「そちらで買取りできるだけでいいよ!」
「では、10匹分でお願いします こちらが銀貨90です」
「1匹当たり、銀貨9か? 其じゃぁギルドとあまり変わらないぜ! あんたの取り分が無い」
「こちらは、グレーウルフ・グリーンウルフの取り分が有りますから」
「じゃぁ、嵩張る革・牙を全部、銀貨110で引き取ってくれないか?」
「こちらは、いいですが、そちらが損しますよ?」
「どうせ、こちらは全部は持っていけない 魔石だけなら、なんとか嵩張らないで持ち運べるからね」
「わかりました。残りの銀貨20です。」
契約が済み、魔石以外をボックスに入れていった。
「良い取り引きをしてもらった。 腹減ったな、ここらで朝食にするか」
商隊と護衛は、ここで朝食をする事にした様で、セイヤも一緒に朝食を取る事にした。
「この商隊は、どちら迄行くのですか?」
「セカンに曲がって、フォードに行き、隣領のナイーハ男爵領都迄向かう」
「じゃあ、セカンへの曲がり角迄は、ご一緒できますね 僕は、ファイへ向かいますから」
「そうか、そこまででも、ありがたい! クラスはC位の冒険者かい?」
「いえいえ、まだ、始めたばかりの冒険者です。 こないだEランクに上がったばかりです。」
「なんだって!!! まだEだって!! なぜそんなに強くなってるんだ!」
「天性のスキルが良かっただけです。 《闇・土魔法》を持ってますので、土壁で防御、催眠で眠らせるだけです。」
「二属性持ちかい!! ボックス持ちといい、Aランクも狙えるぜ!」
「まだまだ始めたばかりです そんなに背負わせ無いで下さい。」
「ナニ言ってやがる!! 二属性持ちなら、そのくらい背負いやがれ」
「背負いやがれって、まだEランクですよ!! まだレベルも低いですし… ヘンなもの、背負わせないで下さい!!!」
「お前っ、ヘンなもんって! 「そもそも、魔王が出て、今すぐナニカって訳じゃ無いでしょ!」…… 確かに、魔王が討伐されたのは、三年位前だけど…」
「じゃ、俺が魔王討伐の為に生まれたにせよ、勇者が討伐してくれたなら、僕がナニカを背負ってる訳じゃ無い、じゃ無いですか!!!」
「言われてみればソウだが…」
「魔王討伐に、もう少しかかって、勇者の従者ならいざ知らず、討伐後に大きくなった僕が、ナニカを背負ってるなんて、無いですから!!」
セイヤにとっては、たまたまの転生で、そんな運命的な物背負わせられても、たまったもんじゃない。
串焼きを売ろうと思っていたが、このパーティーとは、早めに別れておこうと、朝食だけで済ませ、分岐点迄早く着く様に心がけた。
残念な事に、分岐迄にもう一度の戦闘が有ったが、今度はゴブリンが7匹だったので、剣で2匹を倒したら、2匹分は自分の取り分として認められた。
倒した7匹は、魔石と討伐部位だけ取って、そのまま放置されそうだったので、ボックスに入れておいた。
街道沿いに、遺体を残して置くと、又魔物が寄ってくるのでって事にしておいた。
ファイとセカンへの分岐点迄着くと、商隊と護衛に挨拶し、ファイ方面に別れた。
街道から少し離れ、街道が見える範囲で、魔物を探しながら進むと、コボルト5匹の群れに遭遇し、コレを催眠で無力化し、止めを刺していく。
『ノーナ、討伐した魔物を、自動でボックス内の回収する事は、出来ないの??』
『《収納》を取得すれば、可能になります。 有用な物の回収は、《採取》を取得すれば可能です。』
街道沿いの草原を歩きながら、鑑定で有用な物(食用・薬用・毒物)を分けていき、有用な物はボックスに入れていく。
毒物等は、魔法や燻しに使い、魔物討伐に一役かってもらう。
ファイの村に着く迄に、3スライム・5ゴブリン・3コボルト・8ホーンラビット・6グリーンウルフを討伐し、全てボックス内に回収した。
回収品の武器・防具は、別にフォルダ分けしておき、修理出来る物・精錬に廻す物とを、後で鑑定する事にした。