第1章 第47話 〖ムードの光〗が、ファイの村に
転移51日目 ムードの街 夜営地
セイヤ達は、起き出してから朝食を取り、3の鐘に間に合う様に夜営地を出て、ファイの村側の入口に向かった。
セイヤ達が着いてから、少したった頃、トーラス達が入口の方に来た。
「おはようございます! こちらの馬車です。」
「セイヤさん、おはよう! 今日はお願いします!」
「そのまま、馬車にお乗りください。」
セイヤは、トーラス達を馬車に乗せ、馬車の中は、ウルフの革が張ってあるシートが、両側にあるだけで、奥に空間袋Ⅱが掛けてあった。
「セイヤさん、行商の品物が積んで無いが?」
「僕は、ボックス持ちなので、行商の品物は、ボックス内に有ります。 こちらが、昨日言っていた、黒パンと魔物肉になりますが、今出していいですか?」
セイヤは、焼きたての黒パンと、採れたての魔物肉を出した。
「今朝の黒パンと、魔物肉か? もう狩りに出てたのか?」
「いえ。 ボックス内で時間が止まった状態なので、魔物肉も鮮度が良く、黒パンも焼きたてを入れてあります。」
「それは、凄いスキルだな! 食材の心配や鮮度の心配をしなくていいのか!」
「これを捲ると、御者席に顔を出せます。 荷物は、多いですか?」
「今回は、少し長く居るつもりで、魔石と革の素材を集めるつもりで、出来る限り少なくして、討伐部位は傷まない物だけを残す感じだな。」
「村の夜営地も、しっかりしてるので、装備品等も回収しておいてくれたら、僕が買取りしますよ。 ギルド価格の8割位ですが。」
「8割か、嵩張る物を、買取りしてもらって、現金化する訳か! 稼ぎは少し減るが、無駄にしなくて済みそうだな!」
「ところで、トーラスさん達って、パーティー名は何ですか?」
「オッ! パーティー名を言ってなかったか! 〖ムードの光〗っていうんだ。」
「〖ムードの風〗のモールさん達とは、知り合いなんですか?」
「モール達とは、同期なんだ! ムードの周りで競い合ってランクを上げてたもんだ。 今はサーテアを拠点にしてる様だがな。」
モール達とトーラス達は、ライバルどうしで、互いに競い合っていた様だ。
「では、出発しますね!」
セイヤは、〖ムードの光〗のメンバーを後ろに乗せ、御者席に回り出発した。
途中、何度か魔物に遭遇して、〖ムードの光〗用に魔物肉を調達しながら、ファイの村に向かうと、川が見えてきた。
川の手前で、オウガをはじめとして、オーク等が群れでいて、戦闘になった。
「群れを囲みます。 取りこぼしの無い様に。」
セイヤが、壁を作って群れを取り囲み、〖ムードの光〗の面々が踊り掛かる。
「オウガがと、オークを分断!! オウガ達を牽制してる間に、オークを殲滅!! オウガを倒すぞ!」
トーラスが指示をだし、〖ムードの光〗の面々が、別れて行く。
セイヤは、オーク達を眠らせて、オウガに向かうと、リョカとファリスがオークの止めを刺していく。
〖ムードの光〗の前衛のトーラス・ヘルツの2人は、オウガ方面にきており、サーシャ達が、オーク達に向かっていったが、サーシャ達は、オークの止めを刺すだけになった為、サーシャがオウガの方にきた。
クラウドが、オウガの足元に潜伏して、足を絡めたり、セイヤの《木魔法》で足を絡める等をした為、オウガ達は、思う様な攻撃が出来ず、1匹づつ倒されていった。
「セイヤ達との戦闘は、楽だな! 一度に100以上の群れを、退治出来る訳だ!」
「その群れを、退治した時は、洞窟の中に閉じ込めて、毒の煙で燻していっただけです。 1人の時でしたから。」
「1人の時だって!!! それでも、そんな倒し方が使えるのか!」
「ゴブリンの群れだったから、かもしれません。 ボブゴブリンは、動きが鈍くなってましたが、生きてましたから。」
「それにしたって、なかなか思い付く倒し方じゃないぜ!」
セイヤは、全ての魔物をボックス内で解体し、〖ムードの光〗の取り分の2/3を出して、馬車に乗せていくと
「こちらが、〖ムードの光〗さんの分の取り分です。 人数割をしてますので、嵩張る物だけ、買取りしていきます。」
「セイヤは、ボックス持ちで、ボックス内で解体してるのか!! 綺麗だし、量も多く取れている!」
セイヤは、囲みを崩しながら
「ボックスと、《解体》を紐付けしているので、解体が楽ですし、無駄も出ない様にしてますから。」
「買取りは、ファイの村に着いてから、一括でお願いしたい。」
「そうですね。 では、〖ムードの光〗さんの分は、別のフォルダに入れておき、後で一括して出します。」
その後も、ファイの村に着く迄に、何度かの魔物との遭遇があり、戦闘していった。
ファイの村が見える辺り迄くると
「なんだありゃ!!! ファイの村が、城塞化してやがる!」
「少し前に、魔物が多かった時に、村を土壁で囲った為、城塞の様に見えるだけです。」
「セイヤが囲ったのか? こんな村は、何処にも無いぜ!」
「行き来がなかったり、往来で拐われたりして、情報がなかったからでしょう。 拐われた方々も、20人以上の遺体を回収しましたから。」
「そんなに被害が出てたら、略街道を通った人は拐われていたって事か!」
「そうですね。 魔物が多くなってからの、旅人や行商等は、拐われていたと思いますね!」
セイヤ達が、ファイの村に着くと、冒険者の夜営用の出丸に、〖ムードの光〗の面々を残し、トーラスさんを連れて、村長の所にいった。
「村長さん、こんばんは。 ムードの街からの冒険者のパーティーのリーダーです。」
「〖ムードの光〗のリーダーをしている、トーラスです。 セイヤから、こちらで魔物が多くなったと聞き、狩りに来ました。」
「ありがとうございます。 セイヤさんには、お世話になっています。 助成、ありがとうございます。」
「ファイの村が、城塞化している事も、情報として、入ってなかったので、間を行き来していた方々は、被害に合っていたかと……」
「そうですか! 何人か、ムードには向かった方々もいましたが、拐われていた可能性がありますか……」
「ムード側の出丸に、夜営の準備をしていますので、ナニかあれば、そちらに。」
「では、僕達は、駐屯地側に夜営しましょう。」
セイヤ達は、駐屯地の外の出丸に、夜営すると伝え、〖ムードの光〗の夜営場所に戻って、出丸に倉庫を建てた。
倉庫の中の床に、焼けた金属で、焼き印の様に4分割して、素材置場に使ってもらえる様にした。
〖ムードの光〗の取り分をそこに出し、出丸のパーティーの面々にも、場所を決めて使ってもらう様にした。
セイヤ達は、駐屯地の先の出丸に向かい、リョカ達に、夕食の準備をしてもらっている間に、セイヤは、各出丸に行って、倉庫を建てていった。
各出丸のパーティーに、倉庫の中に素材置場として使う様に話、駐屯地の隊長にも、倉庫を建てて、素材置場にしてもらった。
リョカ達の所に戻って、その出丸にも倉庫を作って、素材置場にする様、冒険者パーティーに伝えた。
リョカ達の所に戻り、馬車の中の空間袋Ⅱを、空間袋に変え、ボックス内に入れる様にしておいた。
リョカ達と夕食を取り、ボックス内で露天風呂を使ったりしながら、各々の仕事をこなしていった。
各々、キリのいいところで、休む様に伝え、寝させていった。




