第1章 第16話 ファイの村への帰還
ファイの村に着き、入口に入って、隔壁を回って、村に入って行くと
「あっ、セイヤさん!! お帰りなさい!」
「あっ、リョカさん、こんな所に! どうしたんですか?」
「草原に、討伐に出ていた人達が戻ってきたけど、怪我人が居て! 薬草を家から持ってきたところです。」
「怪我人のところに!! 回復ポーションが有ります! すみません!僕はいきますので。」
「セイヤさん、こちらです! お願いします。」
「あっ、村長さん、回復ポーションが手に入れたので! 今、怪我人のところに向かうところでした。」
「あっ、セイヤさん! なんと! 助かる!」
「セイヤさん、ココです!」
「リョカさん、回復ポーションです。そちらの方から。 僕は、あちらから使っていきます!」
リョカに、回復ポーションを5持たせ、奥に向かった。
「回復ポーションです。 飲んでください。」
回復ポーションを飲ませていき、リョカさんと向き合う頃には、リョカさんの持つポーションは、1つになっていた。
セイヤと合わせ、8本が使われた事がわかった。
草原で、グレーウルフ2・グリーンウルフ10の群れに会い、死人こそ出さなかったが、略全員が負傷し、村に辿り着いたばかりだった。
セイヤは、怪我をしなかった村人を案内に、群れを討伐した場所に向かった。
遺体を残しておくと、他の魔物を呼び寄せる危険と、残した装備品の回収を考えていた。
遭遇場所にくると、案の定、魔物が漁りに来ており、倒していった。
漁りに来ていた魔物とは別に、村人が討伐した分・村人の装備品を回収して、村に戻った。
村に戻り、村の広場に村人が討伐した分・村人の装備品を出し、村長はじめ、村人立ち会いのもと、装備品の鑑定をして、使える物・修理が必要な物・修理が無理な物に分けていった。
修理の必要な物は預かり、修理出来ない物は引き取していった。
次に、村人の討伐した魔物を査定していった。
「村長、回復ポーションの代金は、安くしても銀貨14・銅貨40でした。修理出来ない物を、銀貨2で買取ります。こちらの魔物ですが、損傷の激し物を含め、魔石を抜いて、銀貨95・銅貨40で買取りします。」
「買取りが銀貨97・銅貨40、使ったポーション代を引いた、銀貨83が買取り代金となります。」
「セイヤさん、まだ回復ポーションをお持ちかな? ポーション系で他にも、まだ持っている物が有るかな?」
「お売りできる物は、回復ポーション38・毒消しポーション30・麻痺回復ポーション20が有ります。」
「そちらを全部売ってもらうと、幾らになるかな?」
「回復ポーション銀貨1・銅貨80、毒消しポーション銀貨2・銅貨40、麻痺回復ポーション銀貨2・銅貨40で売っても、銀貨188・銅貨80になります。」
「先程の魔物の魔石は、幾らで買取りしてもらえる?」
「先程の魔石は銀貨36になります。他に、魔石や、革、討伐部位等も、ギルド価格の9割で買取りします。 また、防具も、ある程度揃えられました。」
「そうか! いろいろ揃えるから、全て売ってくれないか?」
「今日は、村外れに泊まらせてください。修理品も、修理しないといけないので。」
「わかった!明日迄に、いろいろ揃えておく! 今日はありがとう!」
「こちらが、魔石以外の買取り品の差額銀貨83です。」
セイヤは、銀貨83を払い、村外れに行き、テントを建てた。
セイヤがテントを建てていると、商隊の方達が、まだ村に残っており、ホレスさんがやってきた
「セイヤさん、怪我人は? なにか、必要な物が有りましたか?」
「あっ!ホレスさん! 怪我人は、手持ちのポーションでなんとか。 必要な物ですか? 村長に聞いた方が良いかと。 しいて言えば、村人を訓練してくれる方と、常駐の治療士や薬士でしょうね。 どちらも、人材で、直ぐにって訳にはいかないでしょうけど…」
「そうですね。 どの村も、最低薬士位は常駐させておきたいですね。」
ホレスさんは、項垂れて、商隊の方に戻っていった。
セイヤは、テントに入り、ボックス内で修理品の修理を済ませておく。
仕入帳に、グリーンウルフ・ホーンラビットの革、オークの革・肉、グリーンウルフの革・牙、グレーウルフの革・牙、不要品の仕入銀貨146・銅貨90と、売り上げ銀貨32・銅貨40を記入しておく。
今日の討伐は、オーク15・グリーンウルフ4・コボルト5・ゴブリン6・ホーンラビット4と、共同討伐分、オーク1・ゴブリン1・ホーンラビット1だった。
ボックス内に、ターニャ用に居住空間を作り、ターニャには、そちらに居てもらう。
ウルフの革鎧セット(E)2を作り、食事を取り、体を洗い、魔法の練習をして、テント側に出て眠った。
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転移16日目 ファイの村
翌朝、朝のルーティンをして、テントを出ると、ホレスさんとモールさんがやってきて、朝、ファイの村を発つとの事だった。
村長のところに行くと、いろいろな物が揃えてあった。
「村長さん、おはようございます!」
「セイヤさん、おはようございます。 これらの物を、引き取って、ポーション系を売ってくれませんか?」
「防具関係も、準備出来てます。 ただ、ウルフの革鎧セット(D)も含みますので、計画的にお買いください。」
「防具も、準備出来たか! そちらも必要だな!」
「まず、これらが、昨日の修理品です。 ポーション系は、銀貨188・銅貨80です。 ウルフの革鎧(E)セットが銀貨16・銅貨50で18、ウルフの革鎧(D)セットが銀貨55で11が準備出来ました。」
「防具を全部だったら、幾らになるかな?」
「防具全部で、銀貨902になります。」
「大きな金額だな… ランク(E)だけだと、幾らになるかな?」
「ランク(E)18で、銀貨297になります。」
「ポーション系と合わせると、銀貨485・銅貨80になるな。 ここに有る物で、足りるだろうか?」
「討伐部位が多ければ、近い金額は、出せると思います。」
セイヤは、村長が集めた品物を調べていった。
「グレーウルフの牙10・グリーンウルフの牙40・ホーンラビットの角50・グリーンウルフの革50・ホーンラビット39あれば、銅貨70でお売り出来ます。」
「ここに有る物で足りたか。 しかし、村の備蓄がだいぶ減ってしまったな…」
「そうですね。防具をもう少し減らしますか?」
「イヤ、これでお願いする。 セイヤさんには、城壁を建ててもらったので、防衛していけば、なんとかなるだろう。」
「昨日きていた、領都の大店のホレスさんからも、これら方面に、騎士団の派遣を働きかけるとの事だったので、騎士団の討伐が終われば、村の周りの討伐も楽になるかと思います。」
「そうだな。 騎士団の派遣を働きかけよう。」
「では、これらを引き取り、こちらのポーション系と防具で、銅貨70となります。」
セイヤは、銅貨70を受け取った。
「まだ、革鎧(E)セットが必要ですか?」
「後10程、予備を含め、準備しておきたい。」
「わかりました。銀貨165になりますので、また、装備や討伐部位等、貯めておいてください。 後、弓・矢等も、準備してみます。」
「遠距離攻撃か! 城壁の上からも攻撃できるな!」
「はい! 今日は、ありがとうございました!」
「領都に向かうのか? すまないが、領都への手紙も、ギルドに持っていってくれないか? こちらこそ、ありがとう!」
「はい!わかりました! あっ、そうでした、森の中の崖の所に、拠点になる様、洞窟に部屋を作って有ります。 もし、お使いなら、どうぞ、前に穴、入口に魔物避けの植物が有り、中で火を使える様に、薪も準備しておきました。」
「なんと! しかし、村人には、荷が重すぎかもしれない。」
「ホレスさんも、村人に訓練できる方を、探してくれるみたいですし、訓練できたら、拠点として使えると思います。」
「わかった、覚えておこう。」
「では。」
セイヤは、ファイの村を後にして、討伐・採取をしながら、領都に向かった。