Op1 The common terminus~そして顕れる特異な終焉~
そうだ…、たとえばの話をしよう。
たとえばだ。
たとえば、もし…だ。
もし大人がいい年にもなって、
「オレの将来のユメは《スーパーヒーロー》になることだ」
と言っていたとしよう。
恐らくだがそんなことを言った奴の周りの『人間』は彼を変質奇怪と判断し笑うか、もしくはその人の人間性を疑い呆れ返り挙げ句の果てには怖いとすら思って二度と口を利かなくなるか、だいたいはこの二択で収まりそうであるという考えに終着するにはたいして時間は必要ないであろう。
しかし『私』は…、
少なくとも“私”は疑問に思う。
それは何故なのだろうか?と。
なぜ笑いなぜ呆れなぜ怖がるのか?
“私”にはそれが疑問でたまらないのだ。
とは言いつつも、実はこれもまた、そのように言う根拠の推理は容易である。
それは、大概の人間はそれを「常識はずれにもほどがある」と思うからである。
【常識】
それは全世界の人間の思考から抽出された粗野な知識の総合であり、
逆に全ての人間を傀儡が如く操作し何かに盲目とさせて集団意識をより際立たせると同時に、
剃刀のように“私”という概念を削りとっていくモノ。
『私』がそれを創り、それが『“私”』を造る。
それは一秒、いやもっと短い期間で微量に姿を変えていき一度として同じ姿をしたことがなかったとさえ言える。未だにセクションとして存在するとはいえ、いずれは巨大情報網と功利主義文明の爆進によって統一するであろう。
【常識】に反するものに対して『私』が笑っているのではない。
実際には『私』は押し殺されて【彼】が笑い、呆れ、怖がるのだ。
しかし…、だからといってこれはヒーローになるユメを笑う根拠でしかなく明確な理由とはなりえない。
だから“私”は疑問なのだ。
また「現実を見ろ」と【人】は軽い気持ちで言うが、『私』が見ているそれは本当に現実なのだろうか?
我々が目にする現実とやらは鳥瞰の結果ではない。
たかだか狭い視野の帰納的飛躍でしかなりえないはずだ。
なのに、『私達』はなぜそれが現実の皮を被った紛い物であることをなぜ一瞬たりとも疑わないのか?
広く深く、そしてそこかしこで矛盾を発生させている現実がそんな簡単に『私』に理解できると言うのだろうか?
………“私”には難解である。
そんな現実という名の幻想は『私』の持つ自慢の双眼鏡を日々日々曇らせていく。
昔はこれを使っていろいろなものを発見したものだった。
そうである、
幼稚園や小学校の最初の頃はスーパーヒーローになるユメを笑うものなんてほとんどいなかった。
むしろそれを言うのがそれこそ【それ】であり、男の使命だった。
だから毎日、模擬訓練に勤しんだしヒーロー研究も怠らなかった。
なのに…、いつも明瞭に映った彼らなのにいつの間にかいなくなってしまったのだ。
見なくなったのではない、見えなくなったのだ。
変わりに『私』の網膜には数多くの魅力的なものが万華鏡のように映り始めていた。
『私』はそれを追った。
どこまでも追い、捕まえ、味わい、また追いかけるの繰り返し。
昨日がサイコーの日で今日がサイコーの日で明日がサイコーの日だった。
この時がずっと続くと思い信じて疑わなかった。
けど…、ある日だ。
突然はやって来た。【それ】とも言える《それ》が。
何の前触れもなく。呼んでもいないのに…。
《【それ】》は空に瞬く星であった。
星、星としか言えない星。
星ほし星ほし星星ほし星ほし星星ほし星ほし星星starほし星ほし星星ほし星ほしstar星星ほし星ほし星星ほし星ほし星星ほし星starほし星ホシホシホシホシホシホシホシホシ☆★☆★☆★☆★☆★star☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆☆★☆★☆★☆★☆星ほし星ほし星星ほし星ほしstar星星ほし星ほし星星ほし星ほし星星ほし星ほし星星ほし星ほし星星ほし星ほし星星ほし星ほし星ホシホシホシホシホシホシホシホシ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆星ほし星星ほしstar☆★☆★☆★☆★星ほし星星ほし☆★☆star★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★star☆★☆★☆★☆★☆星★☆★☆☆★☆★☆★☆star★☆★☆★☆★☆★☆★☆☆★☆★☆★☆★☆★☆☆★☆★☆★☆★☆★☆ホシホシホシホシホシホシホシホシホシホシ星ほし星ほし星星ほし星ほし星星ほし星ほし星星ほし星ほし星星ほし星ほし星星ほし星starほし星★☆★☆★☆★☆★☆★星ほし星星ほし☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆☆★☆star★☆★☆★☆★☆★☆星ほし星星ほし★☆★☆★☆☆★☆star★☆★☆★☆★☆☆★☆★☆★☆★☆★☆ホシホシホシホシホシホシホシホシホシホシ星ほし星ほし星星starほし星ほし星星ほし星ほし星星ほし星ほし星星ほし星ほし星星ほし星ほし星っ。
『私』の周りにあるものと似て非なるもの。
月とすっぽん星とヒトデとはまさにこのことであった。
あの輝きを見てしまったらもう戻れない。
まだ追えるものがたくさんあるというのに私は、
煙草や麻薬のように妖しく『私』を幻惑する《それ》に翻弄された。
“私”には耐えきれなかった手を伸ばした届かなかった背伸びした届かなかった椅子に乗った届かなかった机に乗った届かなかったはしごを見つけた登った届い…――――っ!!!!!!
その煌めきは『私』の脳裏に克明に刻み込まれ二度と消えないと分かった。
それはその時は嬉しかった。
しかし同時に『私』は視力を落としたのだった…。
「あぁ、またか」
と思った。
思ったけどどうにもならないし、どうでも良かった。
今はただひたすら《それ》だった。
《それ》LOVEである。
どうやら気付いたのだが《それ》はまだ『私』には大きかったようだ。
大きかったがそれで満足だった。
なぜなら《それ》と上手く付き合える友人が格好良かったし羨ましかったからだ。
私もようやっと同じステージに立てると思うとそれだけで十分だった。
けども『私』はその奥に見える【モノ】をもっとよく見たかった。
友人を出し抜き羨望の眼差しを集めたかったからだ。
しかし《それ》はよく見るにはあまりにも眩しすぎたので『私』は自慢の双眼鏡を捨てた。
だって太陽光をレンズで見るかのように瞳が焼けてしまうと危惧したからだ。
そして、『私』は《それ》にのめり込み いつか【それ】にたどり着いた。
「…………………?」
急に辺りが暗くなり気だるさが生じたようだった。
そして湧きあがる後悔。
『私』はいつだってそうだ。気付くのが遅い。
『私』があの時に捨てたのは双眼鏡だけじゃなかったのだ。
万華鏡のように映った日々を全て捨ててしまったのだ。
『私』が《【それ》】を手に入れるのと引き換えに…。
再び拾い上げた双眼鏡は手入れが行き届いていなかったせいか白い靄しか見えなかった。
いや、本当に曇っていたのは『私』の両瞳かも知れない。
もはや見えなかったのである―――あの時のように。
そして、恥じる。果てしなくどこまでも。
パンドラの箱を初めて開けた『私』を。
それは屈辱であり思い出でもある。
〔あの時〕染み付いたものはもう二度と落ちない。
もう二度と もう二度と、もう二度と。もう二度と!もう二度とっ!もう二度と?もう二度と……………∴
両脇を本棚で囲い後方の巨大な窓から盛大に太陽の光を取り込む仕組みの書斎のような部屋で“不可解な青年”は一人デスクに向かって座り、机上に両肘を立ててそのトップにある手同士をがっしりと掴む。そうやって出来たタワーの頂上に“奇妙な青年”は顎を乗せ目を瞑り深い思考に入っていた。机上にあるデスクトップPCがファン音を無造作に掻き鳴らし静寂に少しずつヒビを入れていくのが印象に残る。
まあ、確かに失ったものはあったがそれでも“私”は出会いは手放さなかった。
いや、今の言い方は語弊だ。
いくらか手放したがかろうじて未だに手元にあるものがあると言った方が正解なのかも知れない。
“私”にそこまでの記憶力がないとも言えるがな、フフフ、笑えてくる。
[今]に至るまで『私』にはたくさんのことがあったが、“私”はアレだけは鮮明に覚えている。
〔あの時〕と同時に立ち顕れたもうひとつのパンドラの箱。
こちらの箱は前者よりも際立って煌めき“私”を恐れ慄かさせた。
その箱を開ける前から、いや見つける前から“私”は既にアレに魅入られていたというのに。
………………分からなかったから恐れたのだ………∵
そして『 私』は《それ》を中二病と呼び、“ ∴∵ ”はアレを《それ》と呼んだ。
“∴∵ ”は、
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…………………………………………ぐぎぎ………………………………………………………………………………………………が……………………………………………がが…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
追伸。
新OPです!!
よろしくおねがいしまっ!!
全ての物語で言いたいことを集約するとこうなりますね。
わかりづら…分からないと思いますが、まあ気にせず次に行っちゃって下さい。