出会い
アスナさんが亡くなってから3日たった。あれから、ゆっくりだが普通に動き回れるようになった。この家で大人数の村人と戦うなんて無理だ。もう、今さら説明しても分かって貰えないだろうし。あの写真を見せてもな。
ここは一旦、必要な食糧と物だけ持って森に逃げて隠れよう。
金か。武器か。何かないか。家の中をあさった。
あった!大した物じゃなさそうだが黒い十字架の紋様が柄に入ったナイフ。お、こっちには役立ちそうな物が見えた。
「おーー、スッゲー。さっきと同じ黒い十字架の紋様が入った。魔法銃だ。」
撃ってみよう。弾丸が見当たらないな。銃口を見た感じ、弾丸があると思うがないな。魔法を使うだけで弾はいらないのか?取り敢えず、持ってくか。
他には防具はないな。服は替えよう。この世界に来てから一回も着替えてない。クローゼット発見!魔術師が着てるような黒いローブが掛かっている。これだ。丁度いい、サイズだ。
地図のような物は見つからなかった。
お金は、これか。この紙切れか。50000ギルあった。
アスナさんとライナさんいろいろと借りていきます。
よし、荷物は持った。後は出るだけ。出くわさないように日が出る3時間前に家を出よう。でも、向こうもそれを見越して来るかも知れない。地図もないからここまで、来るのに何分かかるか分からない。深夜出るのも危ない。もう、考えても無駄。日が出る3時間前に出発だ。それまで、寝よう。
「あーーーおはよう。」スッキリー。深夜に比べれば明るくなってる。よし、家を出よう。
「出発!」
この家の近くに川があったから下っていけば村があるんだろう。そこを避けて行こう。
ある程度行き動物が全然いないと思い「動物は余り居ないんだな。」と口を滑らした。
「こっちだ。」村人の声が響いた。
ヤバ。声、出しちまった。気付かれて無さそうだ。ここら辺の周りに進んで行くか。村人Cだけじゃなく結構、近くに5人ぐらい人がいるな。
全速力で逃げよう。よし、これで大丈夫だろ。さっきの場所だとまだ、村はなかった。もう少し、近付こう。
村が見えたーーー。
「お父ーさんー。知らない人が向こうにいるよー。」村の子供に見られた。
見つかったー。ヤバい。村人たちが数人近付いて来た。全速力で逃げよう。追って来ようとしてる。「あ、」村の入り口が一瞬見えた。あそこだ。何とか距離はとれたから村の周りからこっそり入ろう。そして、そのままこの近くに大きな町があるかを聞こう。森も村でもバレそうだ。
こんなに騒いでいたら、家に帰っても見張りがいるだろうから帰れない。町に入って隠れるしかない。
よし、ここだ。「ガサ、ガサ」村の中に侵入し歩いていると歳をとった村人を見つけた。「あの、すいません。」「ここら辺に大きな町ってありますか?」
「あぁー、ここを2・3時間北に歩けば、あるよ。」
「ありがとうございます。」村全体が騒ぎ立っている。
「お爺ーさーん。あのアスナさんを殺した犯人、見つかったってよ。」別の村人が言った。
「おい、あんた犯人じゃねぇのか。お前たちこいつだー。」
バレた!
「ガチャ。それ以上、近付かないでください。」魔法銃の銃口を向けた。だが、他の村人たちも集まり八方塞がりになった。
「探している人は、僕です。でも、二人を殺す訳ないです。これを見てください。証拠です。」
「おい、何だそれは。ライナさんと誰かが閉じ込められてる。お前、亜空間生成魔法使えんのか。」
だから、証拠だって言ってんだろうが。カメラを知らないからか。カメラを村人たちに投げた。
「うぉ。危ない。離れろ。」村人たちがあわてふためいた。
「大丈夫ですよ。それは魔法器です。使ってみてください。そいつに撮られても、何の害もないです。俺を撮ってください。ほら。害ないでしょ。」
「つまり、それに写ってる奴が犯人って事か。まだ、信じきった訳じゃないが。」村長らしき人物が前に出てきた。
「お前は、どこに行くつもりだったんだ?」
「犯人の情報を集めるために。町に行くつもりだった。」
「何でこの村に寄った?」
「土地勘がなくて町について聞くために。」あんたたちから逃げるためだと言えば尚更、疑われる。止めておこう。
「まぁ、とりあえず許そう。」
はぁ、助かった。よし、じゃあ町にこの写真の人見たことあるか聞いてまわるか。すぐに聞き回るつもりは、なかったけど。
そうだ。自転車を作り出そう。これに乗って行こう。乗れるかな。
「痛った。コケた。まぁ、自転車は乗るのが難しい物だからこんな物だろう。」
よし、乗れた。漕げた。「うぉ、動いた。動いた。すげぇー、スピードが出る。初体験!!さすが、神の加護。まぁ、神は好きじゃねぇが。」