村人たちの勘違い。
アスナさんを呼んでも来ない。何かあったのか?アスナさんがいるのは一階、大丈夫か確認しに行かないと。強制イベント発生!!までにはいかないか。
すると声が聞こえた。
「やめろー。アスナを離せ。クソー。死ぬなアスナ。」アスナさんの断末魔すら聞こえない一瞬の出来事だった。
「違う用事ができた。お前に構う時間はない。じゃあな。」見知らぬ謎の男がいた。その手元を見ると太刀に血が塗られそこからあふれて来る、血の匂いに驚いた。
「逃がすか。」
ライナさんが謎の男に向け斧を投げ、さらに複製した斧を大量に投げた。
だが、中々当たらず家を出ていった。
その隙にルーザーはアスナさんに近付いた。でも、俺に出来る事はない。
「何でこんな事に。」もっと練習しとけばこんな事には。時間が過ぎていった。
もう、アスナさんは息をしていない。「クソーーー。」暫く、発狂していた。「もう、アスナさんは帰って来ないんだよ。」「もっと早く緊急事態に気付けば」…
いつの間にかそのまま、倒れていた。横を見ると冷えきった真っ赤な血とアスナさんがいた。途中から言葉にもならない声でずっと叫んでいた。ライナさんは、あいつを追っていったがどうなったんだ。
どうか生きててくれ。と祈った。祈う以外に出来る事はなかった。
「もう、人を失うのは嫌だ。」
こんな現世じゃ、起こり得ない事が異世界だったら起こるんだ。もう、頑張っても人を助けることの出来ない世界じゃないんだ。ライナさんを探しに行かないと。でも、こんな力じゃ、駄目だ。まず、人の力を借りずに生きる事だ。
体を操らないといけないが今は、まだ複雑な動きは出来ない。
まず、アスナさんを追悼しないと村の人に伝えないと。この家から出たことはない。例え今、外に行っても村に出る道も何も知らないし体力もない。
埋葬ぐらいなら頑張れば、何とかなりそうだ。窓を開け、外に出ていく。
土の上にアスナさんを置き、土を被せていく。「ごめんなさい、助けられなくて。」最後に板に木の枝をあてありがとうと掘る。「ありがとうございました。」
ご飯を食べないと体を浮かしてキッチンらしき場所まで移動した。よし、皿とホークを準備出来た。別の棚を少し探したらすぐにアスナさんが作ったオリジナルの料理本が見つかった。だが、火は使えない。手で料理をしようと試みたが姿勢が可笑しくて、手は使えない。
そこにある食べたことのある食材で料理を作った異世界飯だ。
「うわ、不味い。」「何だこれ。食べ物?」食うしかないか。「人のぬくもりのある料理は最高だな。温かくないだけで寂しく感じるな。」よし、何とか腹ごしらえが出来た。
よし、トレーニング。体の細かい動かし方のイメージだ。集中すれば、一つ一つの動きは出来る。だが、これをもっと自然にやらないといけない。