夢の話
初投稿です
ここ最近、僕は毎日同じ夢を見る。夢の中で僕は僕の大好きなものがたくさんある場所にいる。そこで僕はお母さんから飲むのを止められているコーラをいっぱい飲んだり、高くて買ってもらえなかったゲームなんかをしながら毎晩過ごす。
そうやって過ごしていると大体いつも同じ時間にパレードが現れる。パレードではラッパを吹くうさぎやら太鼓を叩くくまやらが行列を作りみんな楽しそうに夢の世界を練り歩いている。僕はそれを見るのが夢の世界での何よりの楽しみだった。
パレードの最後には僕と同じ背丈くらいの少年がいつもついて歩いている。少年が来ると話しかけて、夢から覚めるまでの時間過ごすことにしてる。
少年はいつもニコニコとしていて、僕の話をよく聞いてくれる。
「それにしてもこの世界はほんとに素晴らしい世界だね」
そう僕が言うと少年は曇りのない笑みで「そうだろ」と言った。
「夢の世界で過ごしていると起きるのが嫌になってくるでしょう」
確かにその通りだった。現実世界は現実世界で楽しいけれどやっぱり夢の世界の楽しさには敵わない。
「ずっとこの世界で過ごせたらいいのになぁ」
と思わず僕は口に出した。
すると少年は不敵な笑みを浮かべ「本気でそう思うかい?」と聞いた。
「そう思うよ」と僕は答えた。
「ならここの世界にずっといたいと強く願いながらこう唱えるんだ」
そういって少年は「イカセノクボハココ」と唱えた。
僕は言われたとおりに「イカセノクボハココ」と唱えた。
少年はそれを聞くとそれまで見たことのなかった邪悪な笑みを浮かべ「やっとここから出られる!」と叫んで、ケタラケタラと笑った。
それまでとは打って変わって、不気味な笑みを浮かべる少年の様子に僕が急に恐ろしくなって、逃げ出そうとしたその瞬間それまでフワフワとして輪郭のなかった、体の感覚がはっきりとして体が動かなくなった。
そして、急に目の前が真っ暗になり、僕の意識はなくなった。