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ブルーベリー・ストーリー  作者: oga
カンナ編
5/35

銃声

 渡したいもの。

それは、この家の中にあるのだろうか?

僕は最初、武器はないかって聞いた。

それを聞いて、思い出したかのように、おばさんは答えた。


「渡したいものって、武器か?」


 この家の中でそれと思しきものは見た記憶がない。

……ということは、ここではないどこかに、それがある可能性がある。

スマホの中に、それの在処を示したヒントがある?

僕は試しに地図アプリを起動して、登録されている地点を拾い出した。

一件だけ、特定の場所が登録されている。


「……ロズウェル?」


 ロズウェルは、宇宙人をモチーフにしたカフェなんかがある街だ。

ここからだと結構距離がある。

一度も行ったことないし、おばさんだってこんな所に用があるとは思えない。

 その時、外から銃声が響いた。

おばさんがリボルバーの引き金を弾いたんだろう。

もうじき、戻って来る。

僕は、他に手がかりになりそうなものはないかスマホを確認しつつ、窓から外の様子を伺った。


「……え?」


 一人?

おばさんの手には、リボルバー。

リザは、どうした?

何か、様子がおかしい……

不穏な空気を感じた僕は、咄嗟にキッチンの方に身を隠した。

おばさんが部屋に入ってくる。


「……ウォーリー、どこに隠れた?」


 心臓が高鳴る。

リザはどうしたんだ……

しかも、僕を探している。


「……そこか」


 一瞬で居場所がバレると、銃口をこちらに向けて来た。


「おばさんっ!」


 操られているのか?

でも、今はそんな悠長に考えてる場合じゃない!


「くっ」


 僕は、すぐ近くにあったフライパンを盾にして、身を守った。

銃声。

そして、ガアン、という耳をつんざく音。

弾丸がフライパンに命中し、反動で後方へと飛んでいく。

やばい……

絶対、催眠で操られてる。

僕は、ポケ〇ンGOのアプリを起動した。


「ウォーリー、シネッ!」


 撃鉄(ハンマー)を起こすと、引き金に指をかける。

くそ、アプリが起動するまで間に合わない。

僕は、後転でグルグル回りながら、次の弾丸をかわした。

だが、もう逃げ場はない。

壁際に追いやられた。


「スバシッコイヤツダ」


 しゃべり方、完全いっちゃってるでしょ……

だけど、もうアプリは起動した。

僕は、ポケ〇ン図鑑からスリーパーというモンスターを呼び出し、それをおばさんに見せた。

おばさんは、ほぼ全てのポケ〇ンを網羅している。

このモンスターは、バクをモチーフにしたモンスターで、手にタクトを持っている。


「おばさん、よく見るんだ」


 画面を相手に向ける。

スリーパーがタクトを振る。

すると、おばさんの首がカクン、と落ちた。

成功だ。

相手が催眠にかかっているのだとしたら、更に催眠を上書きしてしまえばいい。


「ぐう、ぐう……」


「立ちながら眠ってるし……」


 おばさんの手からリボルバーをむしり取ると、外へと急いだ。


「はあっ、はあっ……」


 冗談じゃないって……

絶対、生きててくれよ。


「リザ!」


 僕が叫ぶと、背後から、わっ、という声がした。


「うわあああああああああああっ」


「びっくりした?」


 ふ、ふざけんな!

でも、リザが生きてて、僕は安心して腰が抜けた。 

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