ブルーベリー同盟
結局、リザに押し切られて、おばさんのスマホの中身を確認することになった。
リザが気を引いて、僕が中身を見る作戦だけど、うまく行くかは分からない。
「おばさん、こんにちわー」
「おっ、リザじゃねーか」
家に到着すると、おばさんがフレンドリーにリザを迎える。
僕らは3人とも、青い目をしている。
だから、それにちなんで「ブルーベリー同盟」、というものを結成した。
僕らはしょっちゅう連んでいて、仲も良い。
リザは、おもむろに自分のスマホを取り出し、おばさんに見せた。
「じゃーん。 ミュ〇ツー、ゲットしちゃった」
リザが見せたのは、ポケ〇ンGOでもレア度の高いモンスター。
するとおばさんは、指を立ててチッチッチ、とやり返す。
「甘いな。 私のコレを見な!」
カンナおばさんは、自分のスマホを取り出し、アプリを開いてリザに見せた。
「げっ、色違いのミュ〇ツー…… どんだけ捕まえたのよ」
「時間はいくらでもあるからな。 まあ、100匹は捕まえたんじゃね?」
イベント企画中に、ひたすらやり込んだっぽい。
確か、色違いの出現率は256分の1だ。
……暇人かよ。
リザは、自分のスマホをテーブルに置いて、おばさんに言った。
「ねえ、これ、見てよ」
手に握られているのは、リボルバー。
リザは、結構ガチ目な武器を家から持ってきていた。
「危ねーな、何でそんなもん持ち歩いてんだよ」
「堅いこと言わないで。 それより、外に試し撃ちに行かない? 弾は6発。 1発くらいなら、撃たせてあげてもいいよ」
「外くれーけど…… 行くか」
おばさんは立ち上がって、外へと向かった。
スマホをソファに置きっぱなしだ。
「ナイス、リザ」
僕らは少なからず、周りと行動を合わせる習性みたいなものがある。
リザがさり気なくスマホを置いていった事で、おばさんも無意識にスマホを置いて行った。
僕は、すぐにスマホを取り上げて、中の確認に取りかかった。