2 負けを認めるエンド
槍の力を使えば、リザを殺してしまうかも知れない。
それじゃ、意味がない。
ガーゴイルがいなくなっても、リザがいなかったら、こんな世界を生きる意味がない。
僕は、槍を投げ捨てた。
「ウォーリー!」
「ごめん、無理だよ」
この槍には、色んな人の思いがこもっている。
特に、カンナおばさんはこの槍を守るために、死にもの狂いで戦ったって言っていた。
それなのに、ごめん。
ガーゴイルの一人が、槍を掴んだ。
「この槍は没収する。 そして、お前は警察に連行する」
「ウォーリーのバカアッ」
「……」
僕は、ガーゴイルに捕まり、そのまま警察へと連れていかれた。
僕は、サンク、警察を殺した罪により、第一級殺人罪が言い渡された。
僕が2人を殺した理由は、ガーゴイルを殺す為。
当然、情状酌量の余地は認められず、死刑が確定した。
死刑執行がいつになるかは分からない。
弁護士が再審を求め、今裁判中だ。
あれから10年。
僕は、26歳になった。
死刑を執行する場所へ向かうため、車に乗り込む時だった。
子供を連れた家族を見た。
「帰りに何か食べて行こうか」
「やったー!」
……もし、あの時槍を使っていたら、こんな平和な光景を見ることはなかったんじゃないだろうか。
結局のところ、ガーゴイルも、人間も大差はない。
僕は、少し安堵した。
これで良かったのかもしれない。
少し心残りだったのは、この10年でリザが一度も面会に来てくれなかったこと、か。
会場へと到着する。
車から降りると、同行していた看守が言った。
「この10年、お前をずっと見ていたが、お前はいいやつだ。 お前みたいな奴を死刑にするなんざ、この国は間違ってるよ」
……思わず、目に涙が溜まる。
こういうことを言ってくれる奴もいるんだ。
ガーゴイルの世界だって、捨てたもんじゃない。
僕の目は青い。
いじめられて嫌になったこともあったけど、今日、一人のガーゴイルの看守と分かり合えた気がする。
「ありがとう」
そう言って、僕は電気椅子のある部屋へと向かった。
終わり




