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1 力を使うエンド

 槍の力を使う。

もう、それしかない。

それに、うまく行けばリザだけ助けられるかもしれない。

覚悟を決めると、槍が光に包まれて、球体となった。

それはどんどん大きくなって、巨大なブルーベリーへと変貌する。

そのブルーベリーは、口をパクパクさせながら、ガーゴイルたちに襲い掛かった。


「う、うわあああああああああっ」



 一人、二人と捕食。

まるで、白血球みたいだ。

他のガーゴイルが踊りかかるも、攻撃は全てはじき返される。


「無敵だ……」


 こいつには、何も通じない。

クルリ、と向きを変えて、三人目、四人目を飲み込む。

たまらず、他のやつらが距離を取る。

すると、ブルーベリーお化けは、口の中から何かを取り出した。

タコの触手のようなものを口から出して、その上に皿が乗っている。

この匂いは、カレーか?


「か、カレーっ」


「馬鹿やろっ」


 一人がつられてブルーベリーの前にやって来ると、断末魔を聞く間もなく、食べられた。

一方的な殺戮。

僕は、ただその光景を見ていることしかできなかった。








 街から、人がいなくなった。

ブルーベリーが、街のガーゴイルを捕食し尽し、次の街へと向かった。

もはや、僕の力ではあいつをコントロールすることはできなかった。

リザの姿が無い。

恐らく、食べられてしまったんだろう。


「リザ…… ごめん」


 それでも、これがリザの望んだ結果、だよな?









 それから、僕はこの街に一人で暮らすこととなった。

スーパーから食べるものを取って来て、豪邸に戻ってくる。

ここは高級住宅街の中でも、特に大きな家で、前は社長でも住んでいたのかも知れない。

車は無駄に何台もあるし。


「何かやってるかなー」


 部屋に戻って、テレビをつける。

100インチの巨大なモニターだ。

でも、番組は何一つやっていない。

つまらなくなって、消した。

ソファに寝転がる。

マジで、つまらない。

金持ちに孤独な人は多いって、よく聞く。

仕事に夢中になりすぎて、家族をおろそかにした結果だろう。

僕はそうならないようにしなきゃな。

……まあ、もう誰もここにはいないけど。

トオルさんも、ロキさんも、街から出て行っちゃったし。

トオルさんはまだ分かる。

お客さんがいてナンボの商売をしているから。

でも、ロキさんまでいなくなるなんて……

ふと、リザのことを考えた。


「……リザ」


 目から、涙が伝った。





終わり


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