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ブルーベリー・ストーリー  作者: oga
カンナ編
3/35

秘密

「……け、警察だ」


 僕は、落ちているスマホを拾い上げ、警察に連絡しようとした。

スマホには、ゲームのアプリ(ポケ〇ンGO、ツム〇ム)や、出会い系と思しきアプリがインストールされている。


(今年で46にもなって、もう少しまとめな出会い探せよ……)


 そんな風にも思ったが、今はそれどころじゃない。

受話器のマークをタッチして、番号を入力。

警察にコールする。


「おめっ、人のスマホで何してんだよ」


 コール中の電話をむしり取られる。


「ったく、プライバシーの侵害だぞ」


 またしても、状況が理解できずに固まる。

背後から現れたのは、カンナおばさんだった。

さっき男に連れ去られたのは、僕の幻覚だったのか?

おばさんは、何事も無かったかのごとく、ソファに座って携帯をいじっている。


「大丈夫なの?」


「は? 何がだよ」


「さっき、スーツの男に拉致られてたじゃん」


「スーツ? どこにそんな奴がいんだよ」


 ……試されてるのか?

しらばっくれているのだとしても、目的がさっぱり不明だ。


「……」


 待てよ。

さっきの連中、こんなセリフを言っていた。

催眠がとける、とか何とか。

おばさんは何か秘密を握っていて、それを誰かに口外しないように、催眠をかけられている?

……いや。

おばさんがそんな秘密を抱えている重要人物とはとても思えない。


「考えすぎかな」


 おばさんの横に腰を下ろして、サンドウィッチの続きを食べる。

横顔をチラと覗くも、普段と変わらない。

この調子じゃ、さっきの武器の件も話してくれなさそうだ。

僕は立ち上がって、そのまま家を飛び出し、リザの待つ滑り台へと向かった。








「遅いわよ」


 滑り台の柱にもたれて、リザが待っていた。


「武器は?」


「ごめん、ウチには何も…… ただ、ちょっと気になることがあったんだ」


 僕は、リザにさっきの出来事を説明した。


「……おばさん、何か秘密を握ってるってこと?」


「かも知れない。 ヒントはおばさんのスマホの中にあると思うんだけど、多分、貸してくれない」


 出会い系のアプリやら、絶対、僕には見られたくないハズだ。

だから、隙を見つけて盗み見するしかない。


「アンタに渡さなきゃいけないものに関係してるんだとしたら、その在処がスマホの中に印してあるんじゃないかしら」


「女の勘?」


「そ。 ねぇ、私、今からアンタの家に行くから、スマホの中身、調べてみましょうよ」


 ……マジ?

 






 



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