地下
「おまっ、ピ〇キオとか、ちゃんとディ〇ニーの許可とってやってんのかよ!?」
慌てふためく赤髪。
一瞬、相手の虚をつくことには成功したが、眠くなる香りのせいで、体から力が逃げていく。
すると、ぐい、と背中を掴まれた。
「そのギャグ、やっぱ最高だわ」
「え、ピノキオのこと?」
「ピ〇キオ言うな!」
……そうか。
よく、ゲームとかでも眠くなったらぶん殴って起こす、みたいな方法がある。
それの応用で、トオルさんを笑わせて、眠りから解放させたんだ。
トオルさんは僕を抱えてビルの影に逃げ込み、黄色と黒のシマシマのテープで囲われている工事中の区画に逃げ込んだ。
地面がえぐれており、ガス爆発でも起こったのだろうか?
そこから、地下へと逃げ込む。
地下から地上を覗くと、さっきの鎌を持った赤髪が警備のおっさんに止められていた。
「ここから先は工事中だ」
「はあっ、ふざけんな! 今警察を殺した凶悪犯を追ってんだよ!」
赤髪が必死に抗議するも、おっさんは中に通そうとしない。
黒髪が追いつき、赤髪に何やら耳打ちをした。
赤髪が、ニヤリ、とする。
「おい、そこに隠れてんのは分かってんだ。 だから、よく聞きやがれ。 てめーともう一人が、駅の防犯カメラに一緒に写ってるのが発覚した。 そっから、てめーの相方の居場所を特定、今、俺らの仲間が向かっているらしいぜ」
あいつは、僕に向かって今のセリフを吠えたのか?
相方って、リザのことだよな……
その、居場所がバレただって!?
多分、あの券売機で一緒にチケットを買った瞬間をとられてたんだ……
「捕まるのは時間の問題だぜ? 俺たちの根城で待ってるからよ、助けたかったら、ついて来な!」
僕が地下から出ようとすると、腕を掴まれる。
「おい、このまま行ったら、やられるだけだぞ!」
「でも、リザが!」
「冷静になれ、お前にあいつらを倒せる力はあるのか? 考えたら、すぐに分かんだろ」
……少なくとも、今の段階で、僕にその力はない。
それに、覚悟だってない。
でも、リザの為なら、やれるかもしれない。
ここまで来たら、もうここで覚悟を決めるしかないんじゃないか?
ガーゴイルを全滅させる。
この槍の力を解放させて……
僕は、トオルさんに事情を説明した。
「トオルさんともう一人、ロキって人がこの街にいるハズなんです。 検索しても出てこなかったけど…… とにかく、その人を見つけることができれば、あいつらを倒せるかも」
「ロキ…… まさか、ゴロツキのロキか?」




