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ブルーベリー・ストーリー  作者: oga
トオル編
26/35

逃走

 僕はなぜか今、ステージに立っている。

珊瑚礁とワカメがいて、僕はアンコウとして舞台の上をウロウロしている。


「オイ、アンコウ、住む場所は見つかったか?」


 ワカメが話しかけてきた。

台本は無いため、はあ、と返事をする。


「オイオイ、アンコウ! 済むならウチに住めや!」


 珊瑚礁が割って入ってくる。

僕は家を探している、という設定らしい。


「ふざけんな! ウチなら安全対策はバッチリだし、何より地震があっても簡単には崩れねえ!」


「僕、ハンモックがいいなー」


「何言ってやがる珊瑚礁。 そんな築何年か分からねー家じゃ、地震ですぐに崩壊するわ! ウチなら壊れる心配もねーし、何より腹が減ったら食える!」


「ねーねー、僕ハンモックがいー」


「馬鹿野郎ワカメ、食ったら無くなっちまうじゃねーか!」


 あれ、僕の存在意義って……








 

 舞台から降りて、裏へと戻る。


「お疲れーい! で、どうだった?」


 トオルが話しかけてきた。


「うーん…… どうだろ。 意外と楽しかったかな?」


「……やっぱりか。 決めたぜ。 俺は、おめぇとコンビを組むことにする」


「へ?」


「俺には元々ミチキって相方がいて、ダンスを極める為に世界を旅して回ってたんだ。 でも途中、ミチキが寿命で死んじまってよ。 ほにゃららほにゃらら、であるからして……」


 聞いてもいない話をペラペラしゃべるトオル。

隙を見て帰らないとなー、と思っていると、テレビからとある報道が耳に入ってきた。

突然、画面が切り替わり、ニュースキャスターの女性が、原稿を読み上げる。


「速報です。 先ほど、サンセットフィールドの車道で、警察官2名が負傷。 内一名は死亡した模様。 犯人は若いカップルで、保護された捜査官の話では、一人は槍を持った10代の男性とのことです」


「みんな、ちょっと…… これってまさか」


 タコのお姉さんがこちらを見やる。

その場の視線が、一気に僕に集まる。

あの警察の片方が生きていたなんて……


「お前……」


「く、来るなあっ!」


 僕は、パニックになって槍を所構わず、振り回した。


「があっ」


 切っ先が、刺さる。

魚たちを刻む。

血が飛び散る。


「ひ、ヒィッ」


「はあっ、はあっ……」


 場は騒然。

僕は槍を構えて後ずさり、扉を乱暴に開け、逃げ出した。


「おまっ、待ちやがれっ」


 背後から、トオルが追ってくる。

会場に紛れ込むと、かん高い悲鳴。

会場内にもテレビがある為、さっきの報道で僕のことがバレたに違いない。


(どこに隠れればいい!?)


 外に飛び出し、当てもなく走り出した。

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