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ブルーベリー・ストーリー  作者: oga
トオル編
22/35

ハンモック

「うう、さっぶ」

  

 用を足しながら、僕は身震いをした。

男子トイレから出て、券売機へと向かう。

そういえば、電車に乗るのなんて、ほとんど初めてかもだ。

券売機は2台並んでいて、一つは誰かが買っている。


「えーっと……」


 画面上には何やら文字がたくさん出ていて、どれを押せばいたんだ?


「くっそ、どれ買えばいいのよっ」


 ガン、ガン、と隣で券売機を殴っている。


(こっわ…… 買い方が分からないからって、殴るのは無いよなぁ)


「ねぇ、これ、どれ買えばいいの?」


 ヤバい……

隣の客が話しかけて来た。

僕は、都心行きはどれかな~、と独り言を呟きながら、聞こえないふりをした。


「ウォーリー、聞いてる? どれ買ったらいいのよ」


 ……リザ!?








 まさか、隣の怖い客がリザだったとは……

とりあえず、購入するチケットを教えて、僕らは別々のホームへと向かった。

列車に乗り、槍を立てかけ、外を眺める。

都市部へは1時間程度で到着する予定だ。

気づくと僕はウトウトしていた。  








「……さま、お客様」


「……あれ?」


「終点ですよ、お客様」


 気づくと、終点の目的地に到着していた。

慌てて降りる。

終点が目的地で良かったよ。

 ホームから階段を上がり、改札を抜けると、景色が一変した。

巨大な液晶ディスプレイがビルの側面に取り付けられ、黄色いタクシーが道を行き来している。

僕の住んでいる町とは違い、まさに都会だ。

僕は、スマホからトールのいる、フィッシュマンを検索した。


「……ここから、結構近いな」


 スマホの地図を見ながら、フィッシュマンへと向かう。 

華やかな大通りから狭い脇道に入る。

ゴミゴミしていて、小さな店がいくつもあり、その中にフィッシュマンはあった。


「クローズド、まだ早かったか」 

  

 店は夜からで、まだまだ時間があるな。

時間をつぶそうと、公園の方までやって来たけど、ここで夜まで凌ぐのはしんどいことに気づいた。

吐く息は白く、今の季節は冬だ。


「ダメだ、ホテル行こ」


 僕は、先に今晩泊まるホテルを探しに行くことにした。

ところが、


「げっ、めちゃくちゃ高いし……」


 スマホの地図でホテル、と検索すると、周辺のホテルがピックアップされるも、どれも一泊100マネーはする。

都市の物価がこんなに高いなんて……

50マネーで浮かれてたのが馬鹿みたいじゃないか。


「……ここにしよ」


 僕は、ホテルは諦めてある場所へと向かった。    


 






 ここは、ハンモックカフェだ。

最近、都市部で流行っている〇〇カフェ。

空中にいくつもハンモックが取り付けられていて、みんな、本を読んだり、スマホをいじったり、思い思いの過ごし方をしている。


「1時間1マネーです。 お飲み物は別料金ですので、ご了承下さい」


「分かりました」


 ハンモックに憧れていた僕は、目をキラキラさせながら、どれにしようかと迷った。

適当なハンモックをチョイスして、靴を脱ぎ、身をもたせる。


「う、うわあっ」


 重みで体がハンモックにめり込んでいく。

網編みに包まれて、焼豚みたいな状況だけど、めっちゃ癒される。


「やばっ、超楽しい!」


 あはっ、あははっ!

これ、すごいいい!

 





 

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