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ブルーベリー・ストーリー  作者: oga
カンナ編
2/35

自宅にて

 途中、スーパーで夕飯のサンドウィッチを2つ購入して、自宅のある森へと入る。


「さっぶ……」


 白い息を吐きながら、道なき道を行く。

しばらく進むと、古ぼけたキャンピングカーが見えた。

何を隠そう、このキャンピングカーが僕の家。

いわゆる、トレーラーハウスってやつだ。

扉を開け中に入ると、ソファで眠りこけてたカンナおばさんが目を覚ました。


「ウォーリー…… 帰ったかあ~」


 僕には生まれた時から身よりがおらず、ずっと親戚のカンナおばさんが母親代わりをしてくれてる。

それは有難いんだけど、ずっと独身だし、先日飲食店のバイトをクビになったばかりだ。

正直、だらしがない。


「おばさん、サンドウィッチ買っといたから、テーブルの上、置いとくよ」


「サンキュー、おめえはできた子だわ」


 飲みかけのビール缶が散乱しているが、それをのけてサンドウィッチを置く。


「空き缶、このままにしとかないでね」


「……」


 片手を上げて返事をする。

ほんとに聞いているのか怪しいもんだ。

カンナおばさんの足を無理やりどけて、空きスペースに座ると、さっそくサンドウィッチにありつく。

ハムサンドを頬張りながら、おばさんに質問してみた。


「ところでさ、この家に武器って、ある?」


「武器? 何言って……」


 急に、おばさんの動きが止まった。


「……やっべ、完璧忘れてたわ」


 おばさんは、起き上がると僕の肩を鷲掴みにしてきた。

さっきとは打って変わって、真剣そのものの表情をしている。


「おめえに、渡さねーといけねーもんがある」


「えっ、何?」


 その時だった。

扉が開け放たれ、数人のスーツを着た男らが部屋に侵入してきた。

あまりに突然すぎて、僕は唖然とするしかなかった。


「催眠が切れかけてる、急げっ」

 

 カンナおばさんが連行される。

僕は、身動き一つ、取れない。

男は、鎌のような物を手にしている。

強盗か?


「ウォーリーっ、こいつを……」


 一瞬にして、誰もいなくなった。

はっ、として外に出るも、辺りは暗く、おばさんの後ろ姿すら確認できない。

足元には、おばさんのスマホだけが残されていた。

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