都市へ
トレーラーハウスでスマホの充電を済ませ、僕は夜、マイクに連絡を取った。
怒鳴られるかも知れないと思い、僕は外から通話した。
「すいません、マリアさん、助けられなくて……」
しばらく電話の向こうで黙っていたが、クソッタレ、という呟きが聞こえた。
「……もういい。 お前には何も期待しない」
ブツ、と通話を切られる。
「……は?」
何だよ、今の。
期待したり、失望したり……
だったら、てめぇが助けろよ!
今まで味わったことのない感情。
どす黒い負の感情が胸に渦巻く。
あんな言われ方をするなら、意地でも助けるべきだった。
「おばさん、強いんでしょ? 絶対、平気よ」
扉の前に、リザが立っていた。
投げつけそうになったスマホを、ギリギリ踏みとどまる。
「……自分が情けないよ。 おばさんにばっかり頼って」
「仕方ないじゃない。 あの槍、まだ完全な状態じゃないんだから」
そうだった。
今の状態でガーゴイルと戦っても、勝ち目は薄い。
「先にキーマン捜しか。 それと、武器を調達しよう。 リザの力が必要かもだし」
「朝の話? 忘れてよ。 私が戦うことになったら、あんたの足手まといになるだけよ」
あっぶね……
リザを戦わせるとか。
とにかく、今はキーマンだ。
「トオル、ロキはロズウェルの先の都市にいるみたいだ」
試しに地図アプリで「トオル」と検索をかけてみたら、いた。
フィッシュマンて言う、バーだ。
地図上に印がついている。
「ここに入り浸ってるのかも。 店員に聞けば分かるかもだし、とにかく向かおう」
翌朝、車に乗り込み、都市へと急いだ。




