グングニル
「まず、何から説明しようかと迷ったが、お前のことを話す。 お前は、戦神オーディンの末裔で、この世界をガーゴイルどもから奪い返すのが使命だ」
……ガーゴイル?
それって、僕らのことだよね?
ってか、オーディンって何?
すると、リザが叫んだ。
「やっぱり、私たちって、ニンゲンなの!?」
「この世界が、何でガーゴイルばかりの世界になったか、教えてやる」
マイクが明かした驚愕の真実。
それは、この世界は元々、青い目をした僕らニンゲンのものだった。
だけどある日、ガーゴイルに占拠されてしまったらしい。
「お前の育て親のカンナのミスだ。 あいつが、催眠能力を持つ鎌をガーゴイルに奪われて、今の今まで、人間らは催眠の中で生きている」
「……カンナおばさんが、原因? カンナおばさんって、何者なの? てか、おばさんと面識あるの?」
「少し、な。 あいつは、元々死神だった。 死神は、この世界の治安を維持する存在で、特殊能力を持つ鎌を手に戦っていた。 だが、ある日ガーゴイルが現れ、ウイルスみたく世界に蔓延した。 死神は殲滅され、鎌を奪われた。 カンナは、最後の望みで、オーディンの武器グングニルを俺に託した。 俺は人間じゃないから、奴らの催眠はきかない」
マイクは、自分は宇宙人だと言った。
真偽は不明だが、僕の夢の中に入ったりと、とにかく普通じゃないのは察しがつく。
「でも、そんな使命、僕には……」
「丁度いいじゃない、ウォーリー!」
リザが、立ち上がった。
鼻息を荒くして、闘牛みたいだ。
「こういうのを待ってたの! 世界、救ってやろうじゃない!」
「俺たちも、この機を待っていた。 お前をリーダーに据えて、街を奪還する。 俺は、人間の味方だ。 ここにはリザとマリアがいる。 ずっと2人を守って来たが、攻め時だ。 地下にお前のグングニルを隠してあるから、ついてこい」
……急展開だ。
僕らは、マイクの後に続いて、カフェの奥へと向かった。
カフェには、地下へと続く階段があって、その奥には大小様々な武器が隠してあった。
「こっちだ」
更にその奥に、鎖が巻かれた槍の様なものが立てかけられている。
ホコリをかぶったそれを持ちあげると、僕に渡してきた。
「こいつが、グングニルだ」
これが、僕の……
僕の身長ほどもある、槍だ。
それは、鎖が巻かれていて、南京錠が2つ、ぶら下がっている。
南京錠には、トール、ロキというローマ字がそれぞれ記されている。
「この鎖を外すには、キーマンを探さなければならない。 その内の一人が、カンナだった。 カンナが鎖に触れたら、南京錠が外れたらしい」
……鎖を外さなければ、使えないのか?
「キーマンの検討はついている。 偶然にも、この先の街に、その人物が2人、住んでいる。 まずは2人に会って、この槍の封印を解いてこい」




