夢
だだっ広い荒野。
すぐ脇に、この先ロズウェル、の文字の書かれた看板がある。
僕がその先へと向かおうとした瞬間だった。
地面に粉塵が上がる。
「どわっ」
思わず、尻餅を着く。
粉塵の上がった箇所には穴が開いていて、金属片がめり込んでいる。
「……弾丸!?」
すると、ポケットのスマホがブルブル震えた。
「は、はい」
「今、スナイパーライフルでお前に狙いを付けている。 その状態でここに入るな」
その状態?
「どういうことだよ!」
「後ろを向いてみろ」
言われた通り、後ろを確認する。
そこには、昨日、リザを襲った男、サンクがいた。
サンクが、僕のすぐ後ろに仁王立ちしている。
「うわあっ」
サンクから後退る。
土煙があがる。
ロズウェルに踏み込みそうになると、弾丸が飛んでくる。
「どうしたらいいんだよっ」
スマホから声がした。
「よく聞け。 サンクはお前の影に潜んで機を窺っている。 だから、先手を打つんだ。 厄払いが済んだら、ロズウェルのエイリアンズ・カフェに来い」
「あんた、誰なんだ!」
「俺はマイクだ。 お前の夢に干渉している。 お前に直接会って話したい所だが、能力に制限がある」
「……ちょっと待てよ! これは、夢?」
僕は、目を覚ました。
床の上で、僕は目を覚ました。
ベッドには、リザが眠っている。
……そうだ、ここは、モーテルだ。
ジャンケンに負けて、僕は床に寝る羽目になった。
(最初は勝って、後から強引に3本勝負にされたんだけど……)
それより、気になることがある。
夢に出てきた何とかってやつ、僕の影の中に、リザを襲ったアイツが潜んでいるって言ってた。
「でも、どうやって倒せば……」
ふと、窓ガラスに目に付いた。
(……これしかない)
部屋の中には、武器になりそうなものはない。
一旦外に出て駐車場へと来ると、出来るだけ鋭利な石を手に取る。
そして、目に付いた窓ガラスのど真ん中に、それを投げつけた。
窓ガラスは簡単に砕けて、破片が辺りに散らばる。
それを手に取ると、僕は、僕の影に思い切り突き立てた。
「……がはっ」
影から、うめき声。
そして、奴が這い出てくる。
奴は、首を押さえて苦しそうな表情だ。
「くそ、ガキ……」
そのまま、サンクは地面に伏した。




