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ブルーベリー・ストーリー  作者: oga
カンナ編
1/35

プロローグ

 僕の名前はウォーリー。

年は16で、都内の高校に通っている。


 そんな僕は今、教室の窓から外の景色を眺めていた。

今日は空は雲っていて、面白くない。

いつもなら、あの雲は猫に似てるな、とか妄想を膨らませて楽しむんだけど。

はあ、早く学校、終わんないかな……


「おいっ、聞いているのかっ、ウォーリー!」


「……! は、はいっ」


「聞いてなかったのか? 教科書を読めと言っているんだ」


 やべっ、まさか、指名されていたとは。

てか、どのページを朗読すればいいのか、さっぱり分からないんだけど……

隣の女子に目線を送って助けを求める。


「はあ…… いいわ、先生、私が読みます」


 どっ、と笑いが教室に起こる。

そこ、笑うとこかよ……

  

「えー、ガーゴイルとニンゲンとの戦い。 かつて、悪徳の限りを尽くしていたニンゲンは、ガーゴイルとの戦いに敗れ、滅びました。 今、こうして正しい世界があるのも、我々ガーゴイルのおかげと言えるでしょう」


「はい、そこまで。 ウォーリー、君は本当に情けないな。 先生は思う、君は学校始まって以来の落ちこぼれだと」


「……」

 

 倒置法つかってんじゃねーよ。








 帰り際、小石を蹴る。

あいつ、僕にだけやけに辛く当たってくる。

さっきの授業だって、たまたま油断してたところを当てに来てる感じがしたし……

それでも、先生だけじゃない。

他の連中もだ。

みんな、僕のことを見下してる。


「目が青いから、そんなことすんのかよ」


 僕とみんなとは、決定的な違いがあった。

それは、みんなは目が赤いのに、僕だけ目が青いっていう点だ。

少数派は、弱い。

勝気な性格ならともかく、僕みたいな気弱はどうしてもハブになってしまう。


「ほんと、やってらんないよ」


「だったら、この世界をぶち壊しに行かない?」


 突然、頭上から声が聞こえた。

この声は、もう一人の青い目の持ち主のリザ。

リザは勝気な性格の為、僕みたいな目にはほとんどあっていない…… 風にみえる。


「いつかあんたに言おうと思ってたんだけど」


 そう言いながら、滑り台を滑り降りて僕の前にやって来る。


「この世界は間違ってる。 私らは本当はニンゲンで、この世界を乗っ取ったのはガーゴイル。 だから、あいつらを全員ぶっ殺そうと思うんだけど、手、貸してくれるわね?」


「は? ちょっと、何言ってんの…… 僕らがニンゲンって、どうしてそう思うの?」


「それは、女の勘よ。 ねえ、手、貸してくれるわよね?」


 有無を言わさぬ物言いで、僕の目の前に顔を近づけてくる。

キスできそうな距離で、ドギマギする。

思わず、一歩後ずさった。

そして、返事をする。


「……どうやるのさ」


「アンタの家から、武器を持ってきて欲しいのよ。 私も何か探してくるから、見つかったらこの滑り台で合流ね」


 そういうと、リザは自宅へと戻って行った。

武器?

そんなのあったっけな……




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