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しましまのたちいち

 しましまの話によると、元々しましまの中の人?はしましまの中にいた訳ではないらしい。

先日買ってきたクマのぬいぐるみが付けていたリボンの中に封印されていたそうだ。何故リボンなのクマじゃないの?と聞いたところ、クマの中にはもう一人しましまの主人が入っているらしい。名前は、クリリン・シソジュースさんだったかな?しましまがユッケなんちゃらさんだったけど、この人も変な名前でそこそこに長かった。二人とも偉大なる魔法使いだったらしいけど、魔女裁判に掛けられて、クリリンさんは殺されたらしい。


それは、遙か昔のお話です。


細々と暮らしていた二人の魔女、クリリンさんとその弟子ユッケさん。当時はある村に暮らして、自宅側の薬草園と菜園、それから医術と占い、村の相談事で生計を立てていたそうです。

しかし、あるとき村に疫病が襲い多くの人が亡くなったそうな。その時に、二人が毒や禁術を使ったのではないかと恐れた村人は彼女達を、役人に突き出し、裁判の後、クリリンさんは断頭台で処刑されました。


そうなることをある程度悟っていたクリリンさんは、その肉体が滅びたときに、魂を分離して別のものに定着する秘術を使い、銀の食器に移したのでした。ユッケさんはそんなことも知らず、怒り狂いあろうことか、処刑を決めた裁判をした人々を、殺めていきます。


「これはクリリンの分だー。」


という台詞はその時に生まれたもので、某漫画の台詞はそれを知った原作者がオマージュしたとかしなかったとか――。


「って話だったよね?」


「あんたどういう頭してんの。バカなのそれとも馬鹿にしてんの。ユッケって誰よ。クリリンって誰。」


としましまは、可愛いくりくりな目で言ってくるので、私は軽く頬ずりをして答える。


「いや、なんか名前長いし……しましまって嫌って言うし、格好いい名前をと思って……」


「ユッケのどこが格好いいのよ。クリリンって誰よ。はあ、もう良いわよ、しましまで。」


「えっ?ホント。」


「だって、このままじゃもっと変な名前になる未来しか見えないし。」


「ありがとう。しましま。いや、リッヒシュヒュッケ・マニュシュクール・シュクマリュウス・イライジュアヴェィル・ハリュドリュス・バヒュイット・シュシュダルド・ヴィラヴィン・ヴェルギス・クットーロジャジャリ・コロスベリヌスさん。これからはしましまって呼ぶから、よろしくね。」


「って、あんた名前覚えてるじゃない。」


「おっ。ナイスツッコミ。流石しましま。長年の付き合いだけあるね。息ぴったりだよ。やっぱり漫才は二人の息が大事だよね。」


「……」


と、しましまの突っ込みに、返す私に対して、しましまは黙っているので、


「ちょっとここは、いい加減にしろって、突っ込むところでしょう。」


というと、しましまはため息をついて


「なんでそうなるのよ。」


*****************


私は、2度目の正座をしてしましまの前に座り、


「というのを考えていました。」


と、答えたら、しましまにパフっとビンタされた。うんこの強さは絶妙で癖になりそう。


「うっ、なんかゾクゾクっと鳥肌が……。まさか、私のビンタが効いてない?」


「いや効いてるよ。結構柔らかくて良いよね。その手。いや前足かな?」


「効いてないじゃないのよ。」


とその時、部屋の扉が開いて、


「ちょっと、由香なに1人ではしゃいでいるのよ。静かにしなさい。」


と母さんが部屋をノックもせずにやって来た。


「ちょっと、勝手に入らないでくれる。」


「良いじゃない減るもんじゃ無し、彼氏がいるわけでもないでしょうに、うん部屋が臭いわね。窓ぐらい開けなさい。」


「ちょっと、入らないでって言ってるじゃん。」


母さんは、ずかずかと部屋に入って、私の足下に立って居るしましまを見ると、


「何、まだそのぬいぐるみで遊んでたの~ね~。大丈夫美香には言わないわよって、あれ。」


しましまが、「よっ。」ってな感じで右手を挙げた。1人と1ぐるみの目と目が合って、時間が止まったかのような沈黙の後。


「キャー。」「わ~~~。」


と、初日にして母に見つかったのだった。 きっと続く……

由香:「ねえねえ、しましま。前半の話ってどこまでが本当なんだっけ?」

しましま:「はっ、あんたが考えた話なんだから、分かるでしょう。私は知らないわよ」

由香:「いやいやそうじゃなくて、このお話を考えていたから、しましまが来た経緯ちゃんと聞いてなかったんだよね。だからもう一回説明してちょ!」

しましま:「絶対イヤ。なんで何度も説明しないといけないのよ。しかも、折角説明したのに聞いてないとか、酷いじゃない。話を聞かないのが悪いんでしょ。」

由香:「そっか、うんそうだよね。ごめんね。」

しましま:「まあ、分かれば良いのよ。」

由香:「それじゃあ気を取り直して、次回の予告行っちゃおう。次回のしましまのましましは――」


しましまの過去


(し)「ちょっとそれ――」(由)「それじゃあ、次回も読んでね。」(し)「台本と違うし――」(由)「明日もしましま元気にな~れ」(し)「ダメだこりゃ」


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