しましまはまだまだ
雨降りの今日、外を歩く人は傘を差して歩いています。いや、あの子はびしょ濡れで走っていますけど。雨のせいか今日は、誰もお店にやってきません。まあ、晴れていても、お客さんは数えるほどしか来ませんけど。
それに、何か買って行く人は、3日に1人ぐらいです。まあ、外の看板は道具屋さんっぽいけど。現実に透けて見える店内は本当にゴミ屋敷みたい。何でも置いているお店です。でも、結構掘り出し物があるんですよ。このお店。
お客さんが来たようです。
「あっ、そろそろ朝ドラの再放送だね。ポチッとな。」
って、レジカウンタの横で何かを操作している。店の人は気が付いていないみたいです。
あれ、あなた?もしかして私の声聞こえてる。いや、そうか彼女は……かな。私の場所が分かりますか?
そうその通路右の天上まである商品棚の5段目。ほら今目が合った。ちっ、なんで美少女フィギアの胸を見てるんですか、やらしいな。うっ、羨ましくなんて無いんだからね。大きいと肩が凝るってみんな言ってたんだから。
それより、左です左。ストップ。そう私の目を見なさい。
そうそれで良いのよ。
いいよく聞いて、私から目をそらしたり、続きを読まずに止めちゃったら呪いますよ。いや、死にます。72時間以内に変死します。どうやってって、そりゃあ、夜中に家の電話に私から電話が掛かってくるんです。「今、あなたの後ろに居るの」って言ってあなたが振り向いたら、死にます。家に電話がない。スマホ?ならある?スマホ?って……まあ良いわきっと、あなたのお家、見かけによらず貧乏なのね。
仕方ない、じゃあじゃあ。あれだあれ、貴方が夜トイレに行くたびにトイレから、「紙をくれー」って声がするようになって、紙を渡そうとしたら、「違う。その紙だ」って引きずり込んでやるんだから。ウォショレ……何?。何よ。知らなくて悪い?
まあ良いわ、早速、私を連れて行って貰おうかしら?もし、私を買ってあなたの側に置いてくれたら、きっと良いことあるわよ。私の……を……してあげる。
この力を使うと眠くなってしまうわ。とりあえず、暫くはあの子に任せて、お休みなさい。次に会う時には、あの子がきっと、貴方を虜にしているはずだけど、その時はよ・ろ・し・く・ね。お兄さん。