『星の王さま☆』
『星の王さま☆』
今思い出すとちょっと恥ずかしいんだけどね。
小学生の頃、初めて「星の王子さま」を読んだ時、あんまり面白くなかったの。
「象を飲み込んだウワバミの絵なんて、外側だけ見たって分からないに決まってるよー。」とか。
「変わった服の人が、難しい話をしても、誰だって信じられないでしょー。」とか。
「バラの花って、ほんとにイヤなヤツだなー」とかっ
て思ってたの。
面白かったのは、酔っ払いが堂々巡りの言い訳をしながら、お酒を飲んでる話だけだな、って。
他の話は、何だかよく分からない、直喩と暗喩がいっぱい続く、難しいお伽話だなと思ってたんだよ。
それがね、昨日本屋さんに行った時に、新しい翻訳が出てて、ちょっと読んでみたんだ。
もう泣いたよー。
思わず買って帰って来ちゃった。
直喩とか暗喩とか、バカみたい、私。
最初から最後まで、切ないエピソードの群れだったよ。
「子供の頃に読んだ本を大人になってからもう一度読むと、感想が変わる」って、聞いたことあるけど。
なんでなんだろうね?
「分からないに決まってる」って思ってた所は、
「誰かに分かって欲しいなー」って思ったし。
「変な服の人は信じられない」って思ってた所は
「外見のせいで本質を見て貰えないって、悲しいなー」って思ったし。
「イヤなヤツ」って、
「私の事みたいでツラいな…」って思ったり。
大人になって自分で体験しちゃうと、どうにもできない事があり過ぎて、切ないのかもね…。
あなたも、「星の王子さま」を読んだことがあるかもしれないけど、
もう一度読んでみて欲しいなー?
それとも今度会った時に、私が読んであげようか?
あなたが眠るまで、読んであげるよ?