【日本の食は、やっぱり素材の味で決まるのよ♪②終わり】
この話はこれにて終了♪
いつになるかはわかりませんが、次回をグロっとおまちくださいませ。
なお、くれぐれも真似はしないでくださいませm(__)m
「お、そうでしたな!」
「そうよ♪朝食会はまだ始まったばかり!」
「今日は大いに人を喰い、飲み明かすとするか!」
「ああ、物理的に喰ってな!」
「そうとなれば次の料理が待ち遠しい!」
「左様左様。儂も次が待ち遠しいわい!」
あらあら♪年を取ると人間せっかちになるっていうけど、本当みたいね♪
くすくす。
ななこは眼を細めて笑い、そして新たな料理。彼ら彼女ら一人一人の目の前に〝ローストされた人の脛肉〟の皿を置いた。
「わあ♪」
「「「「「おォオオオ!!!!!」」」」」
パチパチパチ♪
手を叩いて大喜びの彼ら彼女らは、香ばしい匂いを胸一杯に嗅ぎ、この肉をぺろりと平らげた。
次いで運ばれたのは〝人のモモ肉のステーキ〟
もちろん躊躇なく彼女彼らはナイフとフォークを使い、血も滴りそうな分厚いステーキを切り刻み、一口サイズにして喰いつき頬張る。
その間も〝ななこ〟はテキパキと働き、彼女彼の前に続々と料理を運び、彼ら彼女らはその甲斐甲斐しい姿と料理の数々に満足して、自然と顔をほころばせていた。
どうかしら?本邦の朝食としてはとっても脂っこいしありえないけど、味に不満はないはずよ?なんたってあたしが昨日から準備して仕上げたんですから♪
円卓には〝人間の腎臓と膀胱で作られたキドニーパイ〟〝人間の大腸と小腸に横隔膜と腹膜のミンチを詰め込んで燻製されたソーセージ〟〝人間の食道と胃袋に膵臓などの内臓を用いたもつ鍋〟〝人間の肋骨肉のスペアリブ〟〝人間の肩肉を使った唐揚げ〟が、所狭しと並べられていた。
それを、ななこに招かれた〝エリート〟たちが脇目もふらず一心不乱に食べ散らかし、ときたま喉を詰まらせては〝血のジュース〟や〝黄色いリンパ液や様々な体液のスムージー〟で無理に流し込んでいく。
さながらその光景は、餓鬼道に数多巣食っていると聞く。いくら食べても飲んでも満足しない【餓鬼】そのものであった。
流石は食い意地の張った人たちね♪いくら料理を取り揃えても、ちっとも満足しないんだもん♪ホント困ったわ(笑)
ケラケラケラ。
ななこは、さも楽し気に高笑いして皆の様子を上から目線で窺い、これに応えるように様々な重要な職種に就いているらしい彼ら彼女らが、口どころか顔中を自身の涎と人の血と脂まみれにして歯を尖らせ、お互いさりげなく目配せして『無言』の笑顔で同意の意思表示をしたのだ。
よろしい♪それじゃあ、今朝一番のメインデッシュ!
ゴクリ!!!!!!
一斉につばを飲み込む音が廃工場に響く。
…の前に。あと一品食べて貰わないとね♪
そう言ってカチャッと置いたのは、〝味噌漬けの頬肉と舌と、くりぬかれたの目玉〟が、こんもりと載った大皿。
さあ皆さん。この肉と目玉を七輪で焼いてそのまま食してね♪浸みこんだ味噌味がたまらないんだから♪そうそう、目玉は朝食の定番【目玉焼き】にして食べてね♪黄身があるかは知らないけど、上手く焼けばトロトロになるはずよ♪
彼女の言うが早いか、ジュゥうううううう…。という芳しい煙が工場全体に満ち溢れていった。
そうそう。しっかりと良く焼いてね♪そうした方が〝メインデッシュ〟が美味しくなるんだから♪
コツコツコツ。。
焼き肉にがっつくエリートの皆さん言い残し、いつの間に着替えたのか、ななこさんは真っ白いフリル付きの割烹着を着こなし、手にはおたまを持ってあなたの前に靴音も軽くにこやかに歩いてやってきた。
すっかりあなたの事を忘れてたわ。ふふ…。ごめんなさいね♪
こう言って〝ななこ〟は、おたまを持った右手を大いに振り上げた。
やられる?
咄嗟に身構えたあなたに向かって〝ななこ〟は『えいっ♪』と声を上げ、ぴょんと片足上げて飛び、おたまであなたの頭を小突いた。
こつん。
はい。おしまい。
えっ?
意味が解らないあなたを残して、ななこは肉を食いつくした彼女・彼らのもとへと歩いていく。
うん。イイ感じに温まったわ。
はい、朝食のメニューはこれで最後よ♪よくあなたたちが温めた〝お味噌汁〟を、存分にお飲みなさい♪
云うなり、この廃工場に参集したお偉方は、ある者は向かい合う者に、ある者は隣り合う者の【頭蓋骨】の天辺を叩き割り引っぺがし【中身】にかぶりついた。
程よく〝七輪〟で温められた【脳髄】が、焼け焦げ残された〝両腕〟と〝頭部〟だけを使い啜る彼ら彼女の、とっくにお互いに〝食され無くなった〟【頬】や【舌】。それに【食堂】のあった丸い空間から、だらだらと地面に向かい流れ落ちていく。
そう。〝ななこ〟は初めから料理なんかしていなかったのだ。
ただ、彼女・彼らが昨日この廃工場を訪れた瞬間から全員を操り、一晩かけて生きたまま血抜きをして円卓に座らせ、互いに喰わせ合っていただけなのだ。
はいはい。朝食会もこれでお開き♪美味しかったでしょ?人間の肉体って?まあ、あたしは口に合わなそうだから、一回も食べたことないんだけどね♪
あははははははははははははは!!
背中をそらせ足元に転がる【中身】のない頭蓋骨を一つ二つ蹴り飛ばしながら、ななこは恍惚の表情を浮かべて高笑いに笑った。
どうだったあなた?楽しんでいただけたかしら、今回の余興♪もちろんあたしは全て上手く言って大満足だわ♪
だってだって、この人たち。あたしを騙そうとしていたんですもの♪
知ってる?人権てなによりも、どんなものよりも優先すべき事柄なんですって。今度ある政党から立候補する予定だったこの人たちが言ってたんだから、絶対間違いないわ♪
選挙とか言うの?かな。この人たち皆、それぞれの組織の持て余しモノだったのそうだけど、生き残りをかけてね、その選挙とかいうのに打って出ることにしたらしいんだけどね、どうやら負けそうな勢いだったみたいなのよ。
でね、どこから聞き付けたのかあたしを使ってその自分たちをコテンパンに負かしそうな現実的な政治家たちを、みんな殺して物理的に【喰って消して】しまおうとしていたのよ。
んで、自分たちは正義の【人権擁護政治家】として顔を売ってのし上がろうとしていたの。
まあ、あたしは人権とか、現実とかには興味ないんだけど、あたしを利用したのが気に入らなくてこうしたのよ♪
あはっははははっは!!
もう、本当に心の底からバカじゃないかしら!脳みそ有っても無い様なそこらの馬鹿どもと違ってね、あたしがこんな頭の悪い虚言に惑わされたり騙されるわけないじゃない♪
でぇ~~~~。
そんなこいつらをこっちに寄越したおバカさんの有名人権政治家さんも、こいつらに楽しく喰って貰ったのよ。
でも残念ね。当り前だけど食べたものは消化はされないでしょうけどね♪
あなたは、得意顔のななこの白い指が指示した地面をやおら見る。
そこには。。
六人の足元で、無残な肉のこびり付いた骨だけになった自分達の残骸に混じり、粉々に骨までかみ砕かれた、年齢も性別の確認も困難な、彼ら自身のぐちゃぐちゃになった肉片に混じってドロドロになった肉体の残骸が、六ケ所にびちゃっと落ちていたのだった。
はい。じゃあ明日の準備も忙しいから今日はこの辺でね♪
うん?ああ、そうなの。明日も立候補者?っていうのが何人も尋ねて来るのよ。大物の誰かさんてのを神輿みたいにワッショイワッショイ担いでね♪
頭の中ではさぞ、お祭り騒ぎなんでしょうね♪
もしかしたら脳みそ、ツルッツルのピンク色してるかもよ?楽しみね♪
【人体派遣業者・ななこの日記】より抜粋。
【日本の人肉食は、素材だけでも十分美味しいのよ♪】
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。