〖旅行と食事ってね、楽しいモノなのよ♪〗
人気ゼロ同然なのに、アップする私です♪
ななこ 本来の姿をチョットだけお見せします。
でわ♪
どうも。全然人気出てないのに、なぜだか続編をアップされてしまったあたしよ。
皆様お久しぶりね。いるかどうか知らないけど。
今日はね。あたし趣味と実益を兼ねて、気晴らしの旅行に飛んで来ているの。
ここは前からあこがれていた能登半島の自殺の名所〖ヤセの断崖〗よ。どうタ〇リさんが大好きそうな地層剥き出しの断崖で、すぐ下は日本海なのに手すりも無くて自然一杯で、【死んじゃだめだ引き返せ!】とか、【君は一人なんかじゃない!】とかって立て看板もあってね、うっとりするくらい景色の綺麗な場所でしょ?空気もおいしいしいしね♪
ちょっと死んじゃおっかなぁ~って〖人間〗たちがなっちゃって、えいやって飛び降りちゃうのもわかる気がするわ♪あはははは♪
少女はお腹を抱えてひとしきり笑った。
そういや、某タモ〇さんて、高所恐怖症だったけ?どうでもいいけど。
少女っぽいナニカは、両手を広げて潮の香り漂う空気を胸一杯に吸い込んだ。
ああ~ん♪とっても気分がいいわ。これこそあたし流の旅行の醍醐味よね♪
ぷはぁ~と、吸い込んだ空気をたくさんの二酸化炭素交じりにしてから白い煙を口から上げる。
さてと、景色も満喫したことだし、近くの美味しいって噂のお店の〖ドネルケバブ〗でお食事にしましょう。それが終わったら温泉よ温泉よ♪♪
ペラっとアニメキャラがにこやかにVサインをしているサイドバックから、能登半島の魅力を綴った雑誌を取り出して、人目につかない断崖に突き出た岩にちょこんと腰かけて、どこがいいかしら?と思案に更ける。
「お嬢ちゃん。こんな寂しい場所で何してるのかな?」
少女らしきモノが自身に掛けられた声に振り返る。
「お嬢ちゃんの様な小学生の女の子が、親御さんも連れずにここにいちゃダメだよ?」
目を細めた小太りの頭が禿げ上がった初老の男が、セーターに包まれた首筋をやたらと気にしながら近寄って云った。
「えっと…」
「で、お父さんとお母さんはどこかな?近くにいるんでしょう?ちょっと注意しなくちゃ」
そう言って周囲を見回すおっさんに、あたしはこう言ってやった。
「パパもママもいないよ?一人で来たの」
すると人の好さげなおっさんは、そうなのかい?本当に?とか、しつこく聞いてきたので、あたしは「そうだよ?」って、不思議そうに、でも可愛らしく小首を傾げて言ってやった。
「そうかい、それは困ったな。。」
「なにが?」
「なにがって、いや。難しい話をしてもお嬢ちゃんくらいの子には解らないよね。すまんすまん。あっはははは」
おっさんはあたしの肩を気安げに叩き、大きく口を開け大いに笑う。
そしてグレーの、いかにもおっさん世代が履きそうな折り目も綺麗なズボンのポッケから、これまたおっさん世代が未だに手放さない折り畳み式のガラケーを取り出してポチポチ。どこかに電話をかけ始めた。
「ああ、調子はどうだいミヤちゃん。ああそう、そりゃよかった!そうかいそうかい。あはははは!」
おっさん。あたしを放つぽり出してなに勝手に電話してんのよ。
「そうそう!そりゃ傑作だ!…ところでねミヤちゃん。そうそうヤセの断崖の話、そう」
あら、話が本筋に変わったらしいわね。これだから〖人間〗の会話って度し難いのよ。最初から順序正しく話していたら余計な時間もかからないっていうのにね。バカじゃないかしら。
「ああ、いや、そうじゃなくてねミヤちゃん。自殺…いやね、死にたがってる人じゃなくてね。家出してきたみたいな女の子をさっき拾ってね。そうそうそれ!家出人!」
別にあたしは家でして来たわけじゃないし、自殺志願者でもないのだけど。
「そうそう、いやぁ~話が早いなミヤちゃんは」
だからどこがよ。
「そう近くに親もいなくてね困っちゃって、だからこの子をね。今から殺すんだよ」
トン。
少女らしきモノの平らな胸を、おっさんの肉厚の右手が突いた。
押された弾みで断崖から少女は中空に舞い、引力にひかれ落下する。
「すまんね。独りぼっちのオレはこれだけが楽しみでね♥️」
歪んだ笑みを浮かべたおっさんがサァーと、彼女の視界から上へと消えた。
バサッ!
あら、そうなの?それは残念だったわね。
降ったばかりの雪のように白い四つの翼を背負った少女は、いつの間にかおっさんの眼前を舞い、つんと人差し指で眉間を突いた。
「あ…れ??」
おっさんは立ったまま昏睡した。
うふふふふ♪これで依頼されていた仕事が終わったわ。さてと、ランチに行こうかしら、もちろん〖ドネルケバブ〗を食べにね♪
あっ、それでおもいだしたわ。あのねあのね、聞いて?
あの今まさに運ばれているおっさんわね、ココにやって来る独りぼっちさんたちを突き落として楽しんでた危ない人なのよ。
翼を消した少女の背後を見るからに一般人の老若男女四人が、よっこらせっと持ち上げ、まるでマネキンを運んでいるかのような様子で、ホロ付きの白い軽四トラックの荷台に乗せている。
だからね、これから被害者になった〖人間〗たちの遺族に縛られて、生きたまま〖ドネルケバブ〗みたいにナイフでゆっくり肉を削がれていくのよ♪ね、すごく面白そうでしょ?
あはははははは♪
心底から可笑しそうに少女らしきモノは嗤った。
まあでもね。それって最近まで中国でやってた【凌遅刑】と同じじゃない?って思ったのは内緒ね♪
だってあの人たち、相手が本当にそうなのかも確定できてもないのに必死にお金集めて、あたしの存在まで突き止めて、泣きながら依頼してきたんですもの。そんな空気の読めないこと言えないじゃない♪
だからね、あたしがアノおっさんがやったのかどうか、旅行がてら実益も兼ねて引っ掛けるお手伝いさせて貰っちゃたの♪
ああ~ん♪とっても楽しかったわ♪
それじゃ、機会が有ったらまたね。
そう言って少女はスキップしながら断崖を下って行ったのだった。
〖人体派遣業者 ななこ〗の日記。より抜粋。
〖旅行と食事ってね。〝本来〟楽しいモノなのよ?〗
ここまでお読みくださった根性満載の方。
凄いっす。
では、また機会があればぁ~アップします♪