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〖寒くても身体を〝芯〟から温める。ビーフジャーキースープの作り方〗

タイトルを変更いたしました。


ブクマされた方々、コメントくれた方。ありがとうございます。


でわ、どうぞ。。。


 あら、またアップされたわ。


 ブクマしてくれたりコメントしてくれた方がいたからかしらね、ありがとう。


 でもね、あたしが言うのもなんだけどこんなおどろおどろしい日記に興味を持つ〝人間〟がいるんだから人の世はホント不思議なモノね。ホント、面白いわ。


 幼さが残る少女らしきモノが、皆さんに視線を向けクスクス微笑んでいる。


 じゃ、お礼と云ってはなんだけど、今度はこんな話を聞かせてあげるわね。


 みんな、リアルに目ん玉かっぽじって顔に空洞を二つ作ってから聞きなさい。


 聞くだけなんだから、そんな薄汚れて濁った目玉なんて必要ないでしょ?うふふふふ♪


 うん?なんですって。それじゃ読めないじゃないかですって?そうね、よく考えたらコレ読むのが基本のシロモノだったわね。あれ残念ね。見たかったわ、人間らしい醜い顔に穴が二つ空いてる姿♪


うーんどうしようかな。あっ、あたしいいこと思い付いちゃった♪


あのねあのね。ちゃんと読みたい方達にはね、あとで綺麗なビー玉はめてあげるから心配しないで、もしかしたら見えるようになるかもしれないわよ♪


うふふふふ♪


 それじゃ始めるわよ。ちゃんと聞きなさいね。






 皆さんは干し肉は好きかしら?所謂ビーフジャーキーってやつね。


 あたしはコレ大好きなの、お酒は飲めないけど甘いものを食べた後なんかにしょっぱいモノが欲しくならない?そんなときにこのビーフジャーキーは最高の食べ物よ。自信をもっておすすめするわ♪


 少女は傍でグツグツ煮える大鍋を横目で確認しながら、〖こたつ〗に華奢な下半身を突っ込んだまま転がって、枕元に置かれたビニール袋を開け一枚の焦げ茶色の薄っぺらい板を取りだす。


 見てこの光を反射する様な艶に美味しそうな色!これこそしょっぱくてスパイシーな食べ物の王様よ!


 廃工場の天井からぶら下がった水銀灯の強い光にビーフジャーキーをあて、歓喜の声を上げた少女は、デコポンが全て剥かれて食された後も生々しい〖こたつ〗の上に、ポツンとひとつ置かれていた金の装飾を施したハサミを取り、板を均質な長さで丁寧に端から切っていった。


 あたしね、やっぱりこんな仕事をしていても女の子でしょ、やっぱビーフジャーキーを噛みちぎって食べるなんてハシタナイことしたくないのよね。


 きちんと切りそろえられたビーフジャーキーの切れ端を、少女は几帳面に〖こたつ〗の上に並べてから眺めうっとりとしている。


 どれから食べてあげようかしら、うーんと、ど・れ・に・し・よ・う・か・な・神・様・な・ん・て・い・な・い・の・よっと。これ♪


 少女は真ん中にほど近いビーフジャーキーも切れ端を取り、ポイっと口に放り込んだ。


 うーん♪噛めば噛むほど牛さんの凝縮された味がいっぱいに広がるわ♪それに甘ったるかった口の中も辛くしょっぱく蹂躙されてたまらない♪ああん♪ビーフジャーキーってホント最高だわ!


 再び歓喜の声をあげた少女は、小さくて白い手のひらを頬にあて満足げである。




 まあね、それはいいのよ。あのね、みんな聞いて?


 少女は両手で甘く透明な炭酸飲料が注がれたコップを包み込み、はあ~っと白い息を吐き眼を閉じて嘆息する。


 実はね。あたしぶっちゃけ、いっぱいお金が欲しいから〝人間〟のおかしな依頼を引き受けて仕事してるじゃない?


 なのにね。依頼するだけして、折角できた商品が出来たのにあたしのところに引き取りにも来ないわ、お金は払わないわ、なんてフザケタ輩がたまにいるのよ。バカにしてると思わない?


 少女は〖こたつ〗の上に並べられたビーフジャーキーを一つ、パクっと口に放り込む。


 まったく。〝人間〟て信頼関係で社会が成り立ってるんじゃないの?


 特に商売はお互いの〝信用〟あってこそ成り立つのよ。ホントいい加減な〝人間〟て大嫌いよ。


 鼻をフンスカしながら少女はまた一口、ビーフジャーキーの一片を頬張り、腹が立ってならないと云った、両頬をぷっくり膨らませた可愛らしい表情をあなたに見せる。。


 だからね。世の中そんなに甘くないってことを判らせるためにね、彼女には〝ヒューマンジャーキー〟になってもらう事にしたの♪ねえ、素敵でしょ?


 そう言って少女は〖こたつ〗から立ち上がり、暖かそうな淡いピンクの毛糸のセーターの上からなぜか古風なドテラを羽織り、白い薄手のタイツを順にサンタクロースが履いていそうなブーツに入れて、寒い寒いと云いながら強力なガスコンロで煮られている大鍋の蓋を開けた。


 ほら、ほら見て見て♪


 大鍋の中では完全に煮崩れた〝見たことのある骨と肉〟が、蕩けたスープと熱湯で何倍にも膨らんで水晶体をさらけ出した眼球を二個浮かべて、グラグラと煮られている。


 あははっははは♪ 金もないのに興味本位であたしに〝ヒューマンジャーキー〟を頼んだのは彼女なのよ♪


 あたしを弄んだから。〝人間〟なのに♪〝人間〟なのに♪牛さんみたいに〝ジャーキー〟に料理されてみんなに食べられる立場になったのよ♪ あははははははは♪はあ~!お腹痛い、あたし死んじゃうかも♪♪


 少女はおたまを握った右手でぎゅっと腹を抑え、うずくまって爆笑している。


 ああん♪可笑しくてたまんない!


 でも残念ね。これ、見ての通りまだ製作途中なの。完成までまだだいぶ時間が掛かるわ。


 でねみんな。今度の商品はね、〝ジャーキー〟ていうよりね。煮込み圧縮干し肉っぽいモノなの♪


 皮をはいで内臓とって、あとは塩水で残った肉を煮込んで、天日で干して、圧縮してって繰り返すとあら不思議♪


 大きな羊さんでも抱えて歩けるくらいの大きさになっちゃうの♪


 少女は参考に羊で作られた干し肉をあなたに見せる。


 こうやってね、タコ紐っぽいので結わえてね、食べるときはナイフで必要な分だけ削いでスープにぶち込んじゃうか、炙って食べるのよ。味が濃厚でとってもおいしいわよ♪


 試しに少女は、カセットコンロに乗せていた小鍋に羊の干し肉を投入して灰汁を取り、おたまで掻き混ぜ野菜を入れ煮だったら深めのスープ皿に注ぎスプーンで一口すする。


 う~ん!美味しい♪寒い冬にはやっぱりこれね!干し肉がいい味出してて調味料も要らないわ♪でもお好みで唐辛子いれたり醤油を少し注いだり砂糖を入れたり、みんな好きに味付けしてみるのもいいわよ♪


 あとはね、残った内臓を別個に干したり、腸に血抜きした血液を入れてソーセージにしたりって、料理好きにはたまらない趣向が楽しめるのもいいところよ♪


 皮はそうね。手袋とか毛皮の裏地とか好きにするといいわ。


 ああん♪ 早くこれ出来ないかしら。もうお得意様たちに連絡したら引く手あまただったのよ。やっぱりこれって、あたしの〝信頼と信用〟あったればこそなのよ♪あたしってホント最高よ♪


 でね、モノは相談なんだけど。もしよかったらあなたにも格安の値段で、このなんちゃって〝ヒューマンジャーキー〟お譲りしてもいいのよ?量はちょっと少ないかもしれないけど物は試しにどうかしら?


 連絡、待ってるわね。





 〖人体派遣業者 ななこ〗の日記より抜粋。


 〖寒くても身体を〝芯〟から温める。ヒューマンジャーキースープの作り方〗 おわり。


ここまで読まれてビーフジャーキーとかでスープ作ろうとチャレンジなされる方、……えっと、割と相当ですよ。


あとソーセージ食べようとか。


でわ、ここまでお読みになった方々に心から感謝しつつ、あっちは違う話の執筆に戻りますね。


でわ♪

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