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#7
僕は彼女とはじめてあった時の表情が忘れられなかった。
「(その表情、忘れられないな……)」
彼女の表情は泣いていたせいか、どこか悲しそうな誰かに縋りつきたいような……そんな表情。
その時はパソコンの画面の明かりだけだったが、彼女は僕と視線を合わせたのだろうか。
僕は気にしていないが、視線を合われたのだろうと思われる。
彼女の名前は木野 友梨奈さん。
服装は学生のため、どこかの中学校の制服。
性格は僕の勝手な印象だが、「礼儀が正しい」。
友梨奈さんにそういった感じだろうか。
まだ、第一印象だからなんともいえない。
「友梨奈さんの具体的な悩みが訊きたかったのになぁ……」
彼女が悩んでいることは僕にも分かった。
少しの間は監視という名の見守りが必要と判断した僕はこっそりではあるが、瞬間移動を使い、教室や音楽室などとよく行きそうなところにカメラを設置。
これなら、彼女の様子が分かりやすくなるから――。
僕は悪どい笑みを浮かべるのであった。
2016/11/29 本投稿
2016/11/29 修正