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#4

 時が流れるのは早いもので、僕が外科医として働き始めて10ヶ月くらい経った時に悲劇が起きてしまった。

 あの日は確かバレンタインデーだったと思う。


 そのことは今でも鮮明に覚えているから一気に書かせていただこう。



 †



 患者は男性。

 脳腫瘍(のうしゅよう)で彼の自宅で倒れ、救急車にて緊急搬送された。

 その時は男性以外は留守になっていた関係上、偶然通りかかった近所住民が救急車を呼んだらしい。


 男性の頭部の腫瘍が大きくなっており、早急に手術(オペ)をしなければ手遅れになってしまうと判断したのだ。


「今から、緊急手術を行います! 手術室を確保してください!」

「「ハイ!」」


 僕は周りの医師や看護師に指示を出す。

 彼らはバタバタとその空き状況を調べたり、必要な専門医の確保をしたりしている。


「先生、手術室の空きがありました」

「そちらで手術を行いましょう」


 看護師は担架(ストレッチャー)に横たわっている患者を手術室へ誘導し、僕を含めた何人かの医師は手術の準備に取りかかった。



 †



 僕が身支度を整え、手術室(そこ)に入ると、その患者はすでに担架から手術台に移動されていた。


「では、手術を始めます」

「「お願いします」」

「「ハイ」」

「……メス……」

「ハイ」


 僕は看護師からメスを受け取り、しっかりと握る。

 メスがスッと頭部に入っていった。


 手術が順調に進んでいたと思っていたやさき、悲劇が起きた。


「……っつ……」


 メスを入れたところからの大量出血。

 その時、僕の額から一筋の冷や汗が流れ、頬を伝う――。


「急いで輸血を!」


 僕は手早く指示を出したが、血圧低下を告げるモニターのアラーム音がピーピー鳴り響いた。

 それを見た僕は「(もう、手遅れだ……)」と思ったが、それが現実であり、真実。


 その男性は僕の「医療ミス」によって亡くなったのだから――。


 書いている僕がだんだん泣きたくなってきたから、今回はこの辺で締めておく。

前回は休載してしまってすみませんでした。


2016/11/22 本投稿


※ Next 2016/11/26 5時頃予約更新にて更新予定。

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