#41
友梨奈さんが「野澤 結衣」として転生し、すべての授業が終了。
その日の放課後に休憩時間を過ごした友人達が結衣達の教室に集っていた。
「あら。早紀さん達、どうされましたの?」
「あのね、結衣ちゃん。聞いてほしいことがあるんだ」
彼女が早紀と呼ばれた少女に問いかける。
彼女は深刻そうな表情を浮かべていたのだ。
「ん?」
「ところで、まひろちゃん。このクラスに女の子がいるでしょ? えっと……誰だっけ?」
「もしかして、エリカのこと?」
「うん。ボクは2年生の頃、その子と同じクラスだったから分かるんだけど……」
「どうか、しましたの?」
結衣が気になり、早紀に訊いてみる。
彼女は1回頷き、少し俯きながら、「実はボク、噂で聞いちゃったんだ……」と彼女らに告げた。
「みんな、こんなところだとなんだから、教室に入ってきなよ」
「工藤さんも顔を上げてさ」
まひろ達が廊下にいる3人を教室に入るよう促す。
彼女らが「お邪魔します」「失礼します」と礼儀正しく挨拶してから教室に入ってきた。
「早紀、話してごらん?」
「……うん……あのね……友梨奈ちゃんと秋桜寺くんがつき合い始めた頃の話なんだけど……」
「うんうん」
「それで?」
早紀は重い口を動かす。
その時、2人の男子生徒が相槌を打ち、その話の続きを促した。
「さっき、お昼の時にきたメンバーで話してたみたいだよ。もし、来年のクラス替えで誰かが友梨奈ちゃんと同じクラスになったら……ハメようとか言ってたから……」
「そ、その頃から友梨奈さんはいじめのターゲットにされていたということかしら?」
「結衣ちゃん、そういうことになるね」
「………………」
「そういえば、その頃はエリカも秋桜寺くんのことを狙ってたんだよね」
「そうだったの!?」
「そうだよ。僕は友梨奈と篠田から告白されたのは事実だよ」
†
「な、なんか分かってきたような……」
その時、僕は思ったことがある。
友梨奈さんとエリカは同じ人に告白をしたが、その少年はエリカではなく、友梨奈さんを選んだ。
彼女はそれに妬いてしまったのかは分からないが、今回のクラス替えで友梨奈さんと同じクラスになった者が彼女をいじめに陥らせようとする流れ。
いずれにせよ、友梨奈さんはいじめのターゲットにされていたのだ。
現段階では予想していたことはすべて該当するので、詳しく分からないのが現状だ。
「あとはエリカがどのような答えを言うかが焦点になるな……」
まだ本人はいないため、今後の状態によっては大きな伏線となる可能性があるから――。
†
「まぁ、僕は友梨奈のことが放っておけなくてね」
「篠田さんを断ったのですね?」
「野澤さん、そういうこと」
「話を戻すけど……まさか、本当に実行するとは思ってなかった。ボクが……早く……友梨奈ちゃんに……言っていれば……こんなことが……起きずに……済んだのに……! 友梨奈……ちゃん……ごめんなさい……結衣……ちゃん……も……みんな、みんな、ごめんなさい……」
友梨奈さんが生きていた時に伝えたかったのにも関わらず、早紀は何も言えずにずっと後悔したと感じられた。
今では届かぬ、彼女の思いと言葉――。
「さ……早紀さん……」
「ボクが……悪いんだ……」
「工藤……」
「ボクの……責任だ……!」
涙で顔をぐしゃぐしゃになった早紀が結衣に縋るように抱きついてくる。
静かな教室で早紀は彼女の胸中で子供のように泣き続けていた。
2017/08/12 本投稿
2017/08/12 修正
※ Next 2017/08/13 0時頃更新予定。




