#3
あれから3年くらい経った。
僕は異動の希望を出したわけではないが、憧れていた外科に異動することになったのだ。
研修医以来の外科の診察室や病棟……。
「あれから変わってないな……」
本当にすべてのものが懐かしく感じられる。
「これから頑張らなければ……」
僕は少しずつではあるが、今までしまい込んでいた知識や技術を活かすことができる機会が異動により作られたのだ。
†
外科は精神科と異なり、カウンセリングに長くの時間を要さない。
その代わり、診察は触診や聴診などが中心となる。
その時に聴診器を使うため、特に女性に対してはかなり気を使った。
最初の頃は「すみませーん。失礼しまーす……」と申し訳なさそうに診察したというのは僕のちょっとした黒歴史に過ぎない。
まぁ、今となっては笑い話ではあるが――――。
話を変えて申し訳ないが、こんなことを患者から訊かれたことがある。
そのことは以下の通りだ。
「ところで、先生は元精神科ですよね?」
「えぇ、そうですが」
「少し愚痴をこぼしてもいいですか?」
僕が精神科医として働いていたことを知っている患者から愚痴をこぼされることもしばしばあったのだ。
その時は診察とカウンセリングのどちらも行ったりもする。
いろいろと精神科の経験も役に立つんだと感じた。
おや、「今回は大まかに2回に分けて綴る」と書いたのに、あと1、2回くらい続きそうだ。
読者のみなさまには本当に申し訳ない。
更新時間を過ぎてしまい、すみませんでした。
寝落ちって本当に怖い……。
2016/11/14追記
明日(2016/11/15)は急遽休載することにしました。
次回は11月22日にお会いしましょう!
2016/11/08 本投稿
2016/11/14 後書き欄追記