#25
あれから、1時間が経過した時、友梨奈さんを乗せたベッドは看護師によって、病室から手術室へ連れて行かれた。
おそらく彼女は手術衣に着替えたりして準備をしていると思われる。
「ベッドから担架に移動します」
「「いち、にっ、さんっ!」」
看護師達が友梨奈さんをベッドから担架に移動しているようだ。
†
その一方で、僕は手術室の隣にある小部屋で手術着を着替えたりして支度を整えている。
「さすがに、この髪型だと確実に怒られるよな」
普段は隻眼で仕事をこなしている僕は手術でも同じようにするわけにはいかない。
「恥ずかしいけど、隻眼は止めておくか。僕が誰だか分からなかったら悲しいが……」
僕は前髪を輪ゴムで縛り、ヘアピンで落ちてこないように固定し、帽子を被る。
手を洗い、消毒をし、手術モードに切り替える。
「さて……行こうか」
僕は小部屋から手術室へ向かった。
「みなさん、準備はできましたか?」
「「ハイ!」」
その時、僕と友梨奈さんの視線が一瞬ぶつかる。
彼女は僕のことをじっと見ていた。
やはり、いつも通りの隻眼姿と今日みたいに手術だとかなり雰囲気が違うと思う。
「友梨奈さん、顔が真っ赤ですよ?」
「いえ、なんでもないですー」
「では、これから全身麻酔を投与します。徐々に意識は遠退きますが、目覚めたら手術は成功。あなたは第2の人生の始まりです。よろしいですか?」
「ハイ、分かりました」
「麻酔の投与をお願いします」
麻酔医が「ハイ」と返事をし、友梨奈さんの身体に麻酔が投与をされていった。
2017/03/21 本投稿




