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#23 (説明図あり)

【作者より】

今回の第23話は説明図が2つあります。

画像が見づらかったらすみません。


また、本編の17話と同じ説明図を使用しております。

あらかじめご了承くださいませ。

 友梨奈さんは状況を理解することができずに悶絶をしているようで、「なぜですか?」と僕に問いかけてきた。


「先ほど、友梨奈さんが仰っていたようにあなたはすでに魂は前世にあります。しかし、あなたの身体はそこには存在しないのです。よって、あなたの両親やお友達にも会えないのです」


 僕は自分の口から彼女に分かりやすく説明したつもりではあったが、さらに複雑になってしまっているだろう。

 そう思ったので、図を書いたら分かりやすいかもしれないと思い、僕は机からメモ帳を取り出し、次のような図を描いた。


挿絵(By みてみん)


 その図を描いた時、彼女は「……そんなぁ……」と肩をがっくりと落とす。


「今の友梨奈さんの容姿を見ることができるのは僕だけです。ただ、どうしても前世に行きたいならば……」

「それは……?」

「別の人間になるか亡霊になるかしかないのです」


 先ほどの図に新たに追記する。

 これも友梨奈さんが分かりやすくなるようにするためだ。


挿絵(By みてみん)


「私以外の人物になる……」

「ええ。それしか方法はございません。それでも、前世に行きたいですか? それとも、そのまま亡霊になりますか?」

「……うっ……」

「選べませんか?」


 僕が彼女に突きつけたのは「亡霊になるか」、「友梨奈さん自身以外の人物になるか」という選択肢。

 現に前世に戻れる方法はその2つしかないのだ。


「……お願いします。私は前世に戻れるなら……手段は選びません」

「畏まりました。手術は明後日にしましょう」

「ハイ」

「では、こちらの紙に友梨奈さんの要望を書いてください。僕があなたの要望に添った人物にしますので、ね?」


 僕は友梨奈さんに紙とペンを差し出し、「あとで取りに伺います」と言い残して病室から去った。


 今から書こうとしている紙は「転生手術のための要望書」だということを彼女は知らない――。



 †



 その日のお昼を回ったくらいに僕は友梨奈さんの病室を訪れた。

 彼女からその要望書とペンを受け取り、ざっくりと見る。


「なるほど。では、明日が手術ですね。ゆっくり休んで明日の手術に備えましょう」

「ハイ!」


 ついに、明日は友梨奈さんの転生手術本番を迎える――。

2017/03/18 本投稿


※ Next 2017/03/19 4時頃予約更新にて更新予定。

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