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#1

「……ん……?」


 僕はふと目を覚ます。


「あれ?」


 背中の上が重い……。

 よく見たら、僕の白衣の上にはいつの間にか毛布が足下には膝かけが敷いてある。


 道理で手が痺れていると思ったら、パソコンのキーボードの上で眠ってしまっていたようだ。

 『――――――どのようなご要望がありますかああああああ………………』と書かれた原稿。


「うわぁぁぁぁ…………!?」

「ジャスパー先生、どうされたのですか?」

「もしかして、先ほどまで寝落ちしてたのですか?」


 それを見かけた女性看護師達が僕に気を遣って声をかける。

 彼女らはすごく驚いたようなので、「驚かせてしまい、申し訳ありません」と謝った。


「えぇ。学会まで時間がございませんので、徹夜しか方法がなかったのですが、これでは間に合いそうもないですね」


 僕は苦笑しながら、不要なところはマウスを使ってカットし、カーソルを合わせ、僕は再びカタカタ……と原稿の打ち込みを再開する。


 先ほど、彼女らには「学会の資料」と言ったが、実際はその資料の作成ではない。


 今、僕が作成している書類は「転生手術」の要望書。

 それがないと来世でどのような外見で性格に人間(ヒト)に転生させるかが分からないので、僕にとっては「重要な書類」なのだ。


「あまり無理をしないでくださいね」

「私達は現在夜勤中ですが、先生は翌日の診察があるんですから。医療ミスを犯してしまっては、話になりませんよ?」

「確かに、それは言えますね……」


 本当はそのことについては触れてほしくはなかった。







 僕は一見、普通の医者に見えたとしても医師免許を持っていた「闇医者」なのだから――。

2016/10/25 本投稿

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