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#10

【作者より】

ここからは本編である『いじめられて自殺した私が闇医者によって悪役令嬢に転生され、過去の自分を客観的に見る(http://ncode.syosetu.com/n4606cz/)』の第11話の内容をジャスパー先生視点で書いたものです。

台詞は本編と同じものを使っておりますので、あらかじめご了承ください。

 先ほども書かせていただいたが友梨奈さんは中学生なので、定期テストが必ず存在する。


 試験前の1週間は放課後の部活動は活動停止になり、彼女は授業で分からないところがあったら職員室に足を運んでいた。


 家に帰ってもひたすら勉学に励んでいる友梨奈さんは前日まで23時までに寝るように心がけている模様。


「あっ、15分過ぎちゃった……もう寝なきゃ」


 彼女は通学鞄に1日目の試験である理科、数学、国語の教科書やノート、学校の問題集と筆記用具を入れ、眠りについた。



 †



 定期テストの時は一応、試験監督の先生が不正行為を行っているか否かを教室中を回っている。


 今回の試験は友梨奈さんだけではなく、クラス全員の様子を監視させていただこうと、教室には何台か多めにカメラを設置した。


 2日間に渡った中間テストが終わり、不正行為のなどは何も問題はない。

 そう思ったやさきだった。



 †


 中間テストが終わり、いつも通りの生活が再開された時、彼女の生活はあまり変化はない模様。


「ねぇ、木野さんってさぁ……」

「えっ!? 本当!?」

「本当」

「マジで!?」


 しかし、彼女のクラスの何人かの女子生徒達が友梨奈さんのことで何かを噂している。

 彼女の溜め息をつく回数が少しずつ増えてきている。

 おそらく友梨奈さんは薄々ではあるが、その「何か」を感じ始めていた。



 †



 問題が起きたのは何日か経って、すべての試験の回答用紙が返却され、その上位者が掲示板に貼り出されているらしい。


 友梨奈さんも何人かの友人とその掲示板を見に行こうとしていたがまだたくさんの生徒達がおり、待っている時だった。


「木野は今回の中間テストでカンニングしたから成績がいいんだよ」

「えっ、マジで!?」

「カンニングかよ」

「ヤバくないか?」

「だから、毎回成績がいいのか」


 おそらく彼女のクラスの男子男子生徒達がそう言うと、周りは蒼然としている。


「木野さんがカンニング?」

「ありえない……」

「嘘だよな……」


 その話を聞いた同級生達はざわめき始めていた。

 そのせいもあるのかどうかは僕には分からないが、彼女は今回の中間テストの順位を見ていないと思われる。


「友梨奈ちゃんは実力で頑張ったんだよね?」

「友梨奈はカンニングしてないよね?」

「友梨奈はカンニングなんてしないもんね?」

「友梨奈は頑張ったんだよな?」

「あたしは木野さんの近くだったから、カンニングしてないと信じるよ?」


 友梨奈さんの友人は疑問文で訊いてきた。


「……してない……してないもん」


 それが彼女の答え。


 友梨奈さんは「カンニングをした」という疑惑が出てしまったのだ。

 その噂話を聞いた担任教師は試験監督をしていた先生に確認をしたりしていたが、そのようなことはなかったと――。



 僕はテスト勉強をしている彼女の様子や今回のテストのために準備した何台かのカメラの映像を何回か確認していたが、そのような様子は見当たらなかった。

 もちろん、その映像をスローモーションで見ても同様に――。


「確かに、カンニングをしている様子が存在しないな……」


 彼女は実際にカンニングペーパーらしきものを用意している様子はなく、すべての問題を自力で解かれていた。


「わざとらしい……」


 僕はその噂話は偽りの話だと判断した。

2016/12/20 本投稿

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