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戦国猫日記  作者: 黒猫ルナ
第一部
4/19

私の日課

「あら、月耀様いらっしゃい」


散歩がてらに(くりや)を通れば、女中さん達に話しかけられこっそりと海苔をもらう。


ありがとうと鳴くと優しく撫でられる。


「月耀様ってホントかわいいわね」


「そうよね。私も猫欲しくなっちゃう」


話している女の子達を見ていると、今も昔もあまり変わらないかも。


――恋バナとか小物とか噂話とか。


海苔を食べ終えると前足で顔を洗い毛ずくろいをする。


海苔、ご馳走様でした。


しばらく食休みしてから、ぐぐーっと伸びをする。


「あら、もういっちゃうの?」


「またいらっしゃい」


厨を出ると、女中達の名残惜しい声が聞こえる。


今度は何処に行こうかしら。馬屋でも行ってみようかしら。


馬屋に着くと、いつものように馬屋番が挨拶してくれる。


「今日も来てくれたのかい。菊丸、猫様が来てくれたぞ」


菊丸さんは私のことをおちびさんと呼んで話し相手になってくれる馬だ。



最初はおちびさん呼びには抵抗あったけれど、今は慣れておちびさんで定着している。


今日は、天気の話や最近のご飯の話とか色々話したりして時間があっという間にすぎ、夕食の時間になった。


晩御飯はお魚かな、なんて考えたりするのも結構楽しみだし。


「夕食の時間だから、猫様も気をつけてお帰りなせえ」


馬屋番の人に見送られて、菊丸さんにも見送られて、明日も此所に来ようかなって思う。


――何だかんだでここのお城の人々は猫好きなんじゃないのかしら?


ご飯を食べ終え、丸くなりながら私はそう思った。


別名パトロールとも言います

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