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敦賀城主任命の話
「皆に話がある」
刑部様が五助さんや小石様を執務室へ呼び寄せました。
一体何があったのかと、神妙な面持ちで五助さん達は刑部様の次の言葉を待っていました。
「秀吉様から直々に私を敦賀城主にと任せられた」
ざわりと空気が変わり、お祝いムードになりました。
「殿、おめでとうございます」
口々にお祝いの言葉を五助さん達が刑部様に贈り、皆さんとっても嬉しそうです。
「しかしだな……私で良いのか……」
刑部様が難しい顔をしていると、五助さんが笑顔で答えました。
「殿が頑張ったからこそですよ。これからもワシらは殿についていきます」
「ありがとう」
「殿はもう少し自信をお持ち下さい。殿はご自分を過小評価し過ぎです」
「……そうか」
刑部様がゆったりと笑う姿を見届けると、私はぐぐっと伸びをして執務室から出て行きました。




