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プロローグ

幼稚な小説です。


ケータイのみで書くのでめっちゃ遅いです


仕事の合間に書くので投稿が不定期です

気が付いたら 無言で少女が目の前に立っていた。


少女が持っているものは大男でも持つ事は出来ぬであろう馬鹿げたサイズの【ランス】、つまりこの少女は作られた模造品ーーー【偽りの神】なのだろう。


(しかも【ランス】ということは、最高の火力とーーーを誇るということか)


警戒は緩めない、何故なら目の前にいる少女は自分を殺すためにそこに立っているのだからーーー


ーーー 少女が動く

ーーーモーションはとてもゆっくりと


瞬間ーーー自分の持っていた盾にあり得ない程の衝撃が加わった。


「っ!?」


目の前が真っ白になる程の衝撃、原因は目の前に居たはずの少女が自身の持つ【槍】で自分を盾ごと貫こうとした衝撃であるがそんな事は問題ではない。


(おいおい...10アド(10メートル)はあったはず

だぞ?)


そう、本当に恐ろしい事は衝撃...つまり一撃によってもたらされた火力ではない。


一瞬で10アドもの距離を0にする速さこそが【ランス】の恐ろしさである。


(聞いた事があったから何とかなったが...これ以上は盾が持たねぇ...それに、聞いてたより速すぎる!)


自分はこの殺し合い...いや、【殺戮ゲーム】に勝つ必要は無い。

時間切れまで逃げればいいだけである。


「ーーーっ!」


ランスの少女の突きを更に二回、三回と盾と体術を駆使して躱わしていく。


そのどれもが必殺、少しでも歯車が狂えば死に至る状況。



ーーーそれでも男は躱し続ける...7回ほど躱したところで少女の動きが止まった。


先程まで無表情であった顔は腑に落ちないと言った表情に変わっていた。


「ーーーその盾は?」


透き通った声を受けて男は一瞬動きを止めた。


「ーーーねぇ、その盾はどうしたのかな?」


少女は攻撃体制を維持したまま男の所持している盾に目を向ける。

その盾は何度か【槍】を受たためヒビだらけで今にも壊れそうであったが少女の目についたのはそこではない。


「その盾はーーー誰のかな?」


質問をしながらも【槍】で突きを入れる、男は目が慣れてきたのかついに【槍】の一撃を完全に躱していた。


「最初は【錬成魔術】か【召喚魔術】で作成したのかと思った、でもそれだとヒビを直さないのはおかしい」


少女は、話す事で先程より精度が下がった攻撃を何度も行いながら質問していく。


「ーーーもしくは【復元】、ココは貴方達との戦争跡地だから拾った盾を使えるようにした? でもそれだと初撃で盾が砕けて無いのがおかしい。あの戦場で先程の一撃を耐えた盾はなかったはずだ」


「それらを考慮した上での判断...貴方はE、もしくはDランクの子からその盾を奪ったんだろう?」


その一言とともに少女は男との距離を一気に空ける。


「ルールに触れてないって事は奪われた子は無事って事だろう?つまり貴方の得点は生きている。 そしておそらく、貴方が最高得点クラスのターゲット。悪いけど、その首は頂くよ?」


空気が変わる。

少女の周りにーーー正確には少女の持つ槍の周りの空気が歪んでいく。


「ーーー最期になるから名乗っておくわね」


歪んだ空気が「バチバチ」と音を立て荒れ狂う。


「ーーークラン・ゼウス。十創神(アドファラ)の中で最強の火力...最高の速力を誇る雷撃の槍使いだよ」


その一言とともに少女...クラン・ゼウスの姿が消える。


瞬間的な光景はスローモーションの様に脳から映って行く、クランが【槍】を突き立てて

自分へ突っ込んで来てるのが【視える】、だが身体が動かない。

刹那...もしかするとそれを上回る世界では自分の身体は言うことをきかないのは当然なのだろう。


(ーーー嫌だーーー)


クランの【槍】が、雷撃の一撃が盾に触れる


触れた瞬間に盾は砕け散る、触れてはいけない神域に触れた罰のように


元々そこになかったように鋼の塊になっていく


(それでもーーー)


盾を持っていた左腕が血飛沫を上げながら吹き飛ぶ、それでも止まらない【槍】の先端が指すのは男の心臓の位置。


迫り来る絶対的な「死」の前にーーー男が考える事は一つだけだった...


(ーーー俺は死にたくない!)


その瞬間ーーー刹那に勝る世界の中、男の右腕が動いた。




雷撃の槍が通り抜けた後...クランの撃った一撃の後は高圧電流によって焼け焦げ、抉れていた。


クラン自身も流石にこの一撃を撃った後は魔力が練られて無い状態なので【槍】の重さに膝を落とす。


先端は地面に着いており仮にこの無防備な状態を攻撃される事があればひとたまりも無い、それこそがクラン・ゼウスの唯一の弱点とも言われる必殺の一撃。


普段ならすぐさま魔力を練り直して戦闘体制をーーー【槍】を振るえる体制を整えるクランだが、そんな事も考えられないぐらい驚愕していた。


(僕の一撃を...ずらした!?)


雷撃の一撃は刹那を越える世界である、クラン自身もこの一撃を撃つ際は魔力による肉体強化を限界まで行う。

それでも直線に突き抜く事は出来ない、世界最高峰の魔力を持つ自分の力を過信しているわけでは無いが今まである条件下以外では防がれた事は無かった。


魔力を練り直して後ろを振り向く。

そこにある光景は見慣れた景色、焼け焦げた道に雷電の後。

その中で普段と違った光景があった。


「本当に生きてるんだね...」


普段、雷撃の一撃は相手を焼き尽くす。今回は討伐とは違いポイント制なので「跡形無くてもモニターによって確認される」事になっている。

だからモニターを壊さない程度には全力を出した。

少なくとも前回の最終戦争の時よりは強い一撃だった筈だ。


「もしかしてーーー貴方が魔王だったのかな?」


直撃を受けた左肩から先は抉れ失っており、右手も手首より先は焼け焦げている。首も火傷しており普通の【人間】だったら間違い無く死んでいるであろう状態。

いわゆる「虫の息」、と言った状態である。


「貴方がもし魔王だとしたら、あの戦争はどうなっていたんだろうね? 少なくともまだ続いていたのかな?」


意識があるか分からない男に話かけるも当然返事は返って来ることもない。

このまま【槍】を突き立てたらポイントは手に入るだろうがそれは何故か気に入らなかった。


「ビーーッ」というブザー音と共にクランの目の前にスクリーン魔術が浮かび上がる。


【コレにて中等部の魔術模擬戦の実践形式討伐ポイント制試験を終了します。成績上位の方は今後発表される試験結果にて報酬がございます。それでは、本日はご苦労様でした。移動魔術にて集合場所へ送りいたしますので1ペル(一分)少々お待ち下さい】


目の前の男は後で回収する人が連れていくだろう。その後どうなるかは知らないがロクなことにはならないとは思う。


「僕の所為でもあるのかな? まぁ、機会があれば救いの手を差し伸べるから勘弁してね?」


一応本心からの発言である、元々彼らにこのような言葉を掛ける事すら違反行為にいあたるがそこらはどうでもいい。


どうせ聞いていないのだからーーー


「ーーーはっ...そいつは嬉しいね」


移動魔術が完成する瞬間に男は小さく呟いたが、それは誰にも聞こえる事は無かった。


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