地元の老人たちの会話
Q.事故物件って、どう思いますか?
「事故物件?なんやそれ」
「欠陥住宅のことか?」
「良くない家を探すより、良くない土地を探すほうが早いで」
「☓☓の方面なんか、ちょっと雨降っただけでしょっちゅう水に浸かるもんな」
「あんな場所に消防署作ったのはアカンわ。消防署が一番に水浸しになっとるやん」
「水は怖いよな。海の近くは俺も住みたぁないわ」
「ああ、水と言ったら、俺たちも井戸は気をつけるよな」
「あー、そうそう井戸な。もう使わん井戸は『性根』抜かな」
「せや、ウチの母ちゃんも言うとった。魂を抜かなアカンって」
「井戸の神さんが、息出来ひんようなるから完全に埋めたらアカンし」
「△町の卓ちゃんところは、もう井戸無いんやったっけ?」
「あるかいな。あんな場所に井戸置いといてどうすんねん」
「ちゃんと魂抜いたんかな」
「シズちゃんところも井戸埋めてもろたって言うとったわ。空気の穴開けて、その上物置にしたら怒られたって。ほら、会長んとこの……あの人そういうのウルサイやろ。神様の上に物置いたらあかん!って怒るから、全部整理し直しやってぼやいとった」
「そら怒られるやろ」
「オレんとこの弟も、この前亡くなったやろ?近所から井戸の性根抜いてないからや、ってえらい言われてな。性根抜いてもらおう、ってオカンが言うんやけど、弟はもう死んどるのに今更やっても意味ないわって止めたわ。どうせ売る家なんやから放っといたらええねん。オレは困らんし、次に住むやつが勝手にしたらええやろ」




