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悩むルーク

エルフィン達はケイルを領都と定め、各町に代官を配置した。

どこの町にも空き家がたんまりと出来てしまったので、それを少し手直しして皆住んでいるようだ。

幸いにして、以前の様な大きな屋敷ではなく自分達で手入れが出来る程度の小さな屋敷を皆希望していた。

それぞれ2~3人の使用人が居るようだが、それは自分達の為というよりも「奥様に生涯ついてまいります!」と縋りつかれたのだとか(苦笑)

職人達もバランス良く振り分け各町に1種につき1~2軒の店舗となっている。

宿屋はマォ曰くチェーン店と言う仕組みのような物を取り入れ、どの町でも同じ水準のサービスを提供できるようにしたらしい。

元々は城務めのメイドや侍女の雇用先として考えたようだ。勿論侍女長の推薦があった者のみである。


我が領と言えば、獣人達が移住してきたので少しばかり賑やかになった。

鍛冶職人や木工職人が居てくれるので非常に助かる。

それと同時に叔父上が服飾職人を2名連れて来た。

マォが希望するような服を作れる異国の職人で、該当国国王から身元の保証をされた推薦状を持ってやってきた。


「まさか異国から連れて来るとは」

「うん、だってマォが希望する服装がこの国の民族衣装と似ていたからね」

「だからって叔父上!この職人達は公爵令嬢じゃないですか!」

「まぁ本人達の希望だったしね?

 国元だと貴族令嬢だから、女だからと

 思う存分才能発揮が出来なかったらしいんだ」

「まぁ、未だにそういう考えの者ははびこってますからね・・・」

「腕は確かだし人柄も補償するから、よろしくね~」


叔父上がヒラヒラと手を振りながら去って行った。

公爵令嬢が此処での暮らしなど耐えれるのだろうかと心配になったが、その心配は必要なさそうだった。


「まぁ!マォ様がこのお野菜を作っておられるのですか」

「私達も手伝ってもよいのですか!」

「獣人の方々と触れ合えるだなんて」

「あのブラッシングをさせていただいても?」


んむ、好奇心旺盛なようであった。


そうして徐々に形になりつつある秋の日 ダルクに言われた。


「こうやって領地の事も落ち着いて来た事ですし

 そろそろご自分の事にも目を向けたらいかがですかね?」

「ん? 自分の事とは?」

「はぁ・・・これだから・・・

 いいですかルーク。マォ殿に正式なプロポーズもしてませんよね?

 結婚式もあげてませんよね?

 ここはケジメとしてプロポーズをするべきでは?」

「は?!」


私は思考が停止してしまった。

確かに、勢いでプロポーズまがいの告白はした。

が正式なプロポーズも婚約もすっ飛ばして書類上の婚姻を結んでしまっているので結婚式とかもしていない。

ケジメとして・・・行うべきだろうか。だが今更感もあるような気がするし。


パコーンッ

「ルーク父上!同じ女として言わせて貰うぞ。

 マォとて女なんだ、せめてプロポーズくらいしてやってくれ!」


コレットに頭を叩かれた。

そうだな、ならば指輪も用意せねばならんな。

プロポーズの言葉・・・どのようなものがよいだろうか。

指輪のデザインもどのようなものがよいだろうか。

などと考えていたら私は熱を出し寝込んでしまった。

風邪だろうかと思っていたが医師に


「閣下、あんたこの齢になって知恵熱とか何やってんです?」


と言われてしまった。知恵熱とか面目ない・・・


「ルーク、熱出したって大丈夫か!」


心配したマォが部屋に飛び込んできて医師から知恵熱だと聞けば大笑いしていたがしっかりと看病してくれていた。

翌日目を覚ました時には熱も下がっていたが、隣にマォが寝ていたので私は再び寝込んだ。


「ルーク、どんだけ女に免疫ないん・・・」

「そうは言うけどな、ダルクやアルとて似たようなものだと思うのだが・・・」

「こんなもん慣れだ慣れ。これから毎日添い寝だな」

「ぶっ」


マォが積極的になった・・・と言うかこれは男として見られていないのだろうか。

午後からはやっとベットから出る事が出来た。


「ルーク、俺も人の事は言えないが。

 そんな事ではおかんとの初夜迎えられないのでは?」

「ぶぅぅぅっ」

「うわっ、ルーク掛けるなよ!」

「す、すまぬ」


ルークの顔面に盛大にコーヒーを吹いた。

初夜?・・・ まったく考えていなかった。

お互い齢も齢だしな?


「アルノー、気が早いですよ。

 まずはプロポーズからです!」


ダルクは何故にそこまでプロポーズに拘るのか・・・


「ダルクこそ相手を見つければよかろう・・・」

「私ですかっ?! 私はいいのです、それよりもリオルやアルノーの方が」

「俺は独身のままが気楽でよい」

「俺は心配いらぬよ、相手は見つけたからな」

「「「 は?! 」」」


リオル、いつのまに!私は報告を聞いていないぞ!


「近い内に親父殿にも紹介するよ。ここに連れて来る予定だしな」


そうか、いつのまにかリオルも伴侶を見つけていたか。


「俺はちゃんとプロポーズもしたからな?

 頑張れよ親父殿」ニヤニヤ


ぐぬぬ・・・

今更どのような言葉でプロポーズをすればよいのか、再び頭を悩ませることになったのであった。

読んで下さりありがとうございます。

誤字報告も非常に助かっています、感謝です。

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