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一応領主なルーク①

薪拾い、ただの薪拾い。

だがこれも冬支度にの大事な作業だ。

オルガが軽々と倒木を3本も抱えている。

頑張れば私もあのくらい持てるようになるだろうか。

「無理でしょう」

アッサリとダルクに言われる。

まぁオーガだしな・・・


日暮れ前に居住区に戻り集まった倒木の数に驚く。

人力だけではここまで集まらなかっただろう。

だがマォ曰く家を作るにはまだまだ足りないのだそうだ。

マォとオルガが何やら相談した結果オルガの家族が総出で手伝ってくれることになったらしい。

家族総出・・・凄い事になりそうだな。

オルガが任せろと言っているらしいので明日は皆でダンジョンに向かう事になった。


「久々に人が足を踏み入れたダンジョンだから戦利品が多かったぞ。

 ただ使い道が解らない物も多くてな。

 おかんなら何か知っているかもしれないな」


恐らくは20年以上は人が立ち入って居なかっただろうダンジョンの戦利品。

かなり興味があるので楽しみだ。


「儂ダンジョン初体験じゃけど大丈夫じゃろか」

「おかんなら余裕だろ」

「むしろまた奇想天外な事を起こしそうですダヨネ」

「いやそうそうそんなこたぁないだろ、たぶん」

「言い切れないと思うぞ?」フッ


笑ったら睨まれた。だがその顔も可愛いと思えるから不思議だ。


マォが食事の準備をしている間に持って来ていた書類に目を通す。

この地の改名手続きの書類だ。

いつまでも辺境の地と呼ぶわけにもいかないし、単純にウォーカー領にするわけにもいかない。

既にウォーカー領は存在するからだ。

とは言えすぐに浮かぶものでもなく、後日皆と相談しようと思う。

次に取り出したのは領の詳細報告書。

これも困った事に特筆する事が無い。

特産品もなくこれといった産業もなく 住人は総勢で12~15.オーガも数えればだが。

つまり税収もなにもあったものではないのだ。

仕方がないので自給自足の為特筆すべきものは無しと記入するしかない。

どうせ目を通すのは弟と陛下だからなんとかなるであろう。

などと考えている間に食事の準備が整ったらしい。

豪勢な肉の串焼きを堪能した。

薪拾いと言えど体を動かした後なので自分でも驚くほどに食が進んだ。

大丈夫だ、今度は食べ過ぎてはいない。


食後マォが離れた場所で煙草を吸っていた。

アルノーとリオルも気が付いたようで3人で近寄る。

珍しくダルクが来ないなと思ったら焚火の横で寝ていた、疲れたのだろうな。


マォ「おつかれ~」

アル「ああ、お疲れさん」

マォ「どした?」

アル「いや、慌ただしかったなと思ってな」

ルー「確かに慌ただしかったな」

リオ「だが俺達はこうして自由を得たんだ」

アル「ああ、これからの生活を楽しまないとな」

ルー「マォはこれからどうしたい?」

マォ「ん?儂は最初から思ってた事をやるまでさ。

  向こうと同じ様に のんびりと気の向くままに。

  できれば猫を飼いたいけど・・・ この世界に猫っているの?」

ルー「猫か・・・猫型の獣人か魔獣になるな」

マォ「そっか、じゃぁ魔獣でもいいか。

   儂さ、猫屋敷にあこがれてたんだよなぁ。まぁ近いものはあったけど。

   むしろ野生動物がご近所さんみたいな感じだったけども」

アル「野生動物がご近所・・・まさに此処じゃないか」

マォ「あ、確かに」


などと夜空を眺めながら会話を楽しんだ。


「ってそうじゃないだろ親父殿」

「はっ、そうだった」

「家なんだがな、いくらオルガの家族が手伝ってくれるとはいえ

 多くを立てるのは大変だと思うのだよ。

 だから騎士団で1軒 我々で1軒のまずは2軒でどうかと思ってな」

「なるほど、そこは明日オルガに聞いてみよう。

 大きなのを2軒と 小さめのを幾つかとどっちが楽かを」

「んむ、頼んだ」

「わかっ・・・っくしゅん」

「冷えたか、そろそろ切り上げて寝るか」


すっかり話し込んでしまい体が少し冷えたらしい。

会話を切り上げてテントに戻り寝る事にした。

テントと言えども中は暖かいお陰でぐっすりと眠りにつく事が出来た。




コッキョクウクウコーコォォォォ

ゴッギョグゥグゥルドゥーゥゥゥ


ササミとモモの雄叫びで起こされる。

いくぶんか慣れて来たものの、もう少し控えめに叫んで欲しいものである。

身支度を整えているとテントの外からマォの驚く声が聞こえた。

慌てて私もテントから出てみる。


「うおっ」


5m弱の厳ついオーガがニカッと笑って座っている。

もしかして昨日行っていたオルガのご家族だろうか。

最初が肝心だと思い頭を下げておくと手を振り返してくれた。

フレンドリーだな、おぃっ。

挨拶なのか顔合わせなのかは不明だが、終わるとオーガ一家は何やら会議を始めたようだった。

あれだけの巨体が集まると圧倒されるな。

おっと眺めている場合では無いな。

食事を済ませて我々もダンジョンに向かわねば。

ダンジョンでのモンスター討伐なら私でも役に立てるであろう。

少しは格好良いところを見せねばな。


読んで下さりありがとうございます。

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