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「透真様、ダンジョンが完成しました。」

「ありがとう、ウンディーネ。」

思ったより早く完成したな。


「家具は新しくダンジョンで生成しましたので、引っ越しと言っても運ぶものはそう多くありません。」

家具まで生成してくれたのか。


ウンディーネは、相変わらず気がきくな。

「そういえば父さんは何してるの?」

「父さんは、今は仕事に行ってるわね。」


「では、先に透真さまと奏紗かなささまをご案内させていただきます。」

奏紗は、母さんの名前。

父さんの名前は、悠真ゆうまという。


「あぁ、よろしくな。」

「ウンディーネちゃん、よろしくね!」




一通りダンジョンの中を見ると、ウンディーネに微笑みかけた。

「なぁ・・・、もうちょっと質素なかんじにできなかったのか?」

「精霊の住処、精霊王様の城のようなこの場所が質素など・・・。」


うん、まぁそうなんだけどさ。

ここまで豪華な城にしなくてもよかったんじゃないか?

ダンジョンの階層をどこまでぶち抜けばこんなふうになるんだ・・・?


建っているのは城のみで、周りは森と草原などの自然が広がっている。

綺麗だなぁ・・・、うん。

ウンディーネも頑張ってくれたし、まぁ豪華なぶんには困らない。


「ウンディーネ、よくやったな。」

「はい、お褒めにあずかり光栄です。」

母さんも瞳を輝かせて城を見ている。


よし、これで・・・。

「お前ら、待たせたな。俺の精霊たち、ここに。」

精霊界への扉を開き、俺の配下たちを呼び寄せる。


「お呼びですか?精霊王。」

「わらわ、待ちくたびれたぞ。早く頭をなでるのじゃ!」

「よ、呼びましたか・・・?お久しぶりです。」


今俺に声をかけた3人は、ウンディーネ以外の四大精霊。

サラマンダー、シルフ、ノームでそれぞれ火、風、土を司ってる。

「あぁ、久しぶりだな。シルフは暴れていなかったか?」


十中八九、暴れていたとは思うけど。

こいつ、俺と離れるの嫌いだからな・・・。

見た目幼女で、子どもっぽいところがあるヤツだ。


サラマンダーは怒るとひどいことになるが、普段は気のいいヤツ。

ノームは普段自信なさげな話しかたをしているが、キレるとにこにこしながら相手を削るタイプだ。


まぁ、四大精霊は全員怒るとひどいことになるが。

「ご、ご想像されている通りです・・・。」

うん、わかった。


やっぱりシルフは暴れてたことが。

「サラマンダーとノームは苦労をかけたな。」

いつも、こいつのお守りを押し付けてしまっている気がする。


今度、サラマンダーとノームを労うことにしよう。

「い、いえ。お気になさらず・・・。」

「大丈夫ですよ。精霊王・・・、ではなく透真様。」


そう言ってはいるが、苦労をかけたのは変わりない。

少し申し訳ないな・・・。

「それで、シルフ?」


「な、なんじゃ?透真様がわらわのことを構わないのが悪いんじゃぞ!」

こいつ、反省してないな。

何度言ったら、シルフは俺から離れても暴れなくなるのか・・・?


常に傍にいられるのも、気が散りそうなんだよな。

大人しくしろと言って大人しくなるようなヤツじゃない。

「シルフ、暴れるなと言っただろ?」


「だって、透真様が・・・。」

「だってじゃない。サラマンダーとシルフに謝るんだ。」

「わ、わかったのじゃ。」


「俺らは別に良かったんですよ?」

「いや、こうでもしないとこいつは反省しないだろ。」

事実、こいつはいつも俺から離れると暴れる。


せめてきちんと謝らせないと、永遠に繰り返しそうだ。

「サラマンダー、シルフ!」

「なんだ?」


「わ、わらわが悪かったのじゃ!」

「シルフ、ごめんなさいは?」

大事なところ、忘れてるぞ。


「ご、ごめんなさい・・・。」

「ん、がんばったな。」

ご褒美にシルフの頭をなでてやった。


「えへへ・・・。」

これでシルフはいいとして・・・。

「ウンディーネ、どうした?」


「透真様はわかっていると思いますが・・・。S級ダンジョン、英知の遺跡の崩壊が近づいております。」

うん、知ってた。

でも、なんで引っ越しした直後に面倒事があるんだよ!



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