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火の海

「速報です、フランスでガス漏れの爆発に巻き込まれて日本人が一名亡くなりました」

「蓮、消して」

「はい」

SOは爆発に巻き込まれながらも、河上以外は直ぐに病院にて治療され助かった。

だが、河上だけは意識が戻ることはなくそのまま亡くなった。

「なんであそこで急に爆弾が」

「起きたことを考えてもしかたない」

「でも!!」

「蓮、イーサンの言う通りよ、今は神鹿狼奈の行方を探すのが優先」

「なんで皆さんはそんなに落ち着いてられるんですか?」

「俺達だって河上に関して何も考えてないわけじゃない、でも河上はどんな状況でも仲間がいなくなっても最後になっても神鹿狼奈を捕まえることに尽力するはずだ」

京野はそう言った、河上の葬儀は昨日行れて本当に河上が亡くなったと言う事実が突きつけられる。

「今はやれることをやるしかない」

「そうですね、すいません」

「それなら早速、仕事をしてもらおうか」

SOの部屋に入って来たのはブランシェだった。

「あんた、何しに来たの?」

「サマエルの幹部を逮捕したSOに情報共有しとこうと思うってな」

「何か分かったんですか?」

「いや、神鹿狼奈については何も分からない」

「それでなんのようだ?

「捕まえた奴らは皆、口を割らないがそれでも同じことを言う」

「同じこと?」

「ああ、神鹿狼奈の最終計画は世界中を巻き込み火の海にすると言っている」

「どう言うこと?」

「分からない」

そう言って何も分からなと言った時に、部屋のモニターが映った。

『元気、SOの皆さん?』

『お前は』

顔より下で真っ暗な部屋で撮っているのか、分からない。

『私は神鹿狼奈、私のご褒美は気に入って頂けたかしら?』

『ふざけんな!!』

『そんなに怒らないで、爆弾を一つ爆発させただけじゃない』

『それで河上さんは死んだんだぞ』

『そうなの?あの人なら生きてそうだけど』

『馬鹿言わないで、貴方は本当に人の気持ちが分からないんだね』

沙雪が噛みつく。

『本当に死んだの?』

『ニュース見てないの?それとも本気で怒らせたいの?』

『そう、それならもう終わりね』

『どう言うことだ?』

『私は私に匹敵する頭脳を持つ人間を作ろうとした、でもそれは叶わなかった、だから彼を実験して最強の目を持つ人間に作り上げたはずんだけどもうその彼もいないとなると私が生きてる意味はないの』

『そんなことで河上にあんなことをしたのか?』

『そうよ、でももう終わり』

『今度は何を企んでいるの?』

『世界を火の海にするの』

『そんな馬鹿げたことを許す訳ないだろ』

『それはどうかしら、彼がいなくても止められるのかしら?』

『河上がいなくともやるんだよ』

『そう、なら頑張って』

そう言って画面は閉じた。

「おい、お前神鹿狼奈の場所は突き止めたのか?」

「なにもヒントがないのに無理ですよ」

「ちっ、河上が連れて来たから有望かと思ったのに」

「ブランシェ、心の声漏れてるわよ」

「うるさい、とりあえず俺達は俺達でやるからお前らはお前らで動け」

「はいはい、さっさと行きな」

そう言ってブランシェはその場を去った。

「何なんでんすかあの人」

「まあ、心太がいなくなって今度こそSOの存続が危ぶまれた時に残すべきだって、最初に発言した人だから、悪い人ではないよ」

「本当ですか?」

「うん、私達は私達のやるべきことをやろう」

「はい」


それから蓮を主導にネットから情報を集めて、イーサンや京野は同僚など元の職場でなにか情報がないか確認をして数日が経った時だった。

「あの?」

蓮が何かを見つけた。

「なに?」

「この事件何か変じゃないですか?」

「どれ?」

連のパソコンには通常通りに事件が起きてサマエルかマラクが起こしたものかを確認させるメールだったのだが…。

「これって普通に爆弾を持って、若者が捕まったって事件ですよね?」

「そうだね、でもそれくらいの事件ならここにはメールは来ないと思うけど」

「蓮、そのメールはどこから来てる?」

京野が焦った様子で聞いてくる。

「えっと、警視庁なので日本ですね」

「やっぱりか」

「どう言うこと?」

「俺もその事件については聞いてたけど、あんまり大事にはなってない」

「どう言うこと?」

「犯人は未成年で政界の大物の息子だからもみ消されたはずなんだけどな」

「ならなんでこっちにメールが?」

「蓮」

「なに、イーサンさん」

「そのメールについて詳しく解析してみろ」

「ちょっと待って」

それから数分蓮はメールの受信先など諸々調べた結果。

「どう言うことこれ?」

「なにか分かったのか?」

「受信元はフランスだし、警視庁がこっちにメールを送った形跡はない」

「どう言うこと?」

「分からないな、もしかして神鹿狼奈の仕業か?」

「だとしたら意味がないことはしないはず」

「何をするつもりなんだ?」

部屋は静寂になる。

「え、ちょっとなにこれ?」

「どうした蓮」

「メールが世界中から送られてきてる」

「どう言うこと?」

「俺のパソコンにも来てる」

「私もだ」

SOのパソコンには世界中で関係ないような事件から、関わりがありそうな事件まで一気にメールが来てパソコンがパンクしそうになっていた。

「どう言うことだ?」

「さっきの続きだが、もしかしたら世界中を火の海にすると言うことはこう言う奴らに爆弾を仕掛ける準備をしているのかもしれない」

「じゃあこのメール全部それ関連ってこと?」

「そうかもしれない」

そう言うとインターポールのビルに、ブザー音が鳴り響いた。

「現在、ノートルダム大聖堂の再建式典会場にて神鹿狼奈と思われる人間が映像を、ハッキングして世界中で特徴のある建物を一時間後に一斉に爆発するとの通報があった。各捜査員は捜査の割り振り通りに動いてください」

「どう言うこと?」

「分からんが、これが神鹿狼奈を捕まえるまでの最後の仕事になるかもしれない」


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