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暗殺

翌日、俺はドバイにいた。

学校はインターポールの仕事と言えば休みをくれるので問題はなかったが、SOには一人で仕事だとモーガンが通達したらしく、スマホには大丈夫か?と三人から連絡が来たが問題はないと返してそれっきり連絡がこなかったので問題はないだろう。

現在時刻はドバイでは十八時半、あと三十分で対象を射殺しあいと行けない。

空港から出るとすでに俺を案内する人間がいて、そいつが運転する車で対象が会合をするビルの隣のビルに向かい、屋上に向かう際にすでに時間はあと五分を切っていた。

俺は無言のまま、ライフルのボルトを滑らせた。薬室に収まった弾丸の金属音が、夜の熱気に消える。

ここは隣の高層ビルの屋上。作業員の姿に偽装し、エレベーターを降りたのは二時間前。黄色いヘルメットと作業ベスト、手元には古びた工具箱。中身はもちろん、分解されたスナイパーライフルだ。

視界の端で、下界を走るランボルギーニのエンジン音が響く。地上は観光客とビジネスマンであふれ、誰もこのビルの屋上を気に留める者はいない。

スコープを覗くと、太陽の光を受けてガラスの壁がぎらつく。そこに、標的がいる。白いアラブ服を纏い、金の腕時計を光らせ、電話を片手にソファへ腰を沈めている男。背後の壁には巨大な絵画、室内には数人の護衛が控えている。

 距離、325メートル。風速、1.8メートル。 風の流れを読むため、屋上の埃が舞うのをスコープから外れた視界で確認する。

そうして俺は目を使う、様々な人間の感情が渦巻いている、隣のビルの中には数人が居るが真っ黒い色で溢れていて全て生きているだけで害があるやつらばかりだった。

呼吸を整え、肺の空気をすべて吐き、心拍数を落とす。

指先に、わずかな圧をかける

パシュッ。

 乾いた音が、布を裂くようにサプレッサーの奥でくぐもった。

 スコープの中で、標的の頭部が鮮やかな赤を散らす。ガラスに蜘蛛の巣状のヒビが広がり、護衛たちが立ち上がるのが見えた。

だが、音に気づく者はいない。下の街はクラクションと喧騒に満ち、銃声はその中に紛れた。

河上はすぐにボルトを戻し、空薬きょうを掌で押さえてポーチへ落とす。

ライフルを三つに分解し、ケースに収める動きは淀みない。屋上に残る痕跡は何もない。

数秒後には、ただの作業員が工具箱を提げて階段を下りていく姿だけが残っていた。

非常階段の金属音が、昼の白い熱に吸い込まれていく。

俺はイヤモニで中で呟いた。

「終わった」

そう言うと直ぐに聞いたことない人間の声が帰った来た。

「下に車があるから直ぐにこい」

「了解」


それから俺は多くの暗殺を行った、。

そしてもう指を数えることをやめてた。ドバイから始まった仕事は、パリ、香港、そして極寒のロシアへと続いた。狙撃の感覚は、最初の震えを失い、指先から骨まで冷え切っていた。

パリでの、静かなカフェでの至近距離。

ロシアでの雪原でのターゲットを射殺。

南米のジャングル。

イスタンブール、市場の喧騒で偽装暗殺 → 暗器・毒。

スイスでの豪華ホテルでターゲット → 上流階級の仮面の下で行った。

もはや人を殺すことに躊躇もためらいもなかった、段々自分が人ではなくなっていくのが怖かった。


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