天使の裏切り3
それから犯人は地元警察に捕まり俺達はそこでお暇することになった。
あくまで俺達SOの仕事は捜査協力なので犯人が捕まれば、違う人間や国が処罰を行うので俺達はもう帰ると思い一日だけ各々で観光やお土産を買っていた。
俺は仁と共に観光をしていた。
「イタリアって何が有名なの?」
「まあイタリアンじゃない?」
俺はスパゲッティを食べながら仁に聞いていた。
「そうじゃなくてお土産だよ」
「お土産ね、それならアマレッティがいいかな」
「なにそれ?」
「これ」
見せられたのは焼き菓子だった。
「クッキー的なものかな?」
「そうかも、今見たらこれがフランスに渡ってマカロンになったらしい」
「へー、そうなんだ」
「ちょっと待って」
仁はそう言うと電話をしに外に出て行ってしまった。
なにか想像がつかないので、仕事かプライベートかどっちか当てようと思い考えていると仁て彼女いるのかという疑問に当たった。
仁の彼女となると優しく年下の女の子かなとかそう言うことを考えていると、仁が帰ってきた。
「彼女?」
「え?」
「いや、電話」
「彼女いないよ」
「そうなの?」
「うん、まあそう言う話はまた今度」
「ってことは仕事か」
「うん、呼び出し」
そう言われたので俺は残ったスパゲッティを書き込んでタクシーを呼んで指定の場所に向かった。
「此処って」
「そう、地元警察の警察署。まあ日本で言う警視庁かな」
「なるほど、それで呼ばれたのはなんで?」
「それはマルコから聞いた方がはやいかな」
「分かった」
それから中に入り俺達が通されたのは取調室の隣の部屋だった。
中は隣が見えるが隣からは見えないガラスだった。
マルコとルチアや相川さんと沙雪さんもいた。
「来たか」
最初に気づいたのはマルコだった。
「それでなんで呼ばれたんですか?」
「あいつが心太を呼んでる」
「どう言うことですか?」
「犯人はアウレリオ・ヴェローナ三十八歳でサマエルの人体研究を行っていました」
ルチアさんが不服そうに説明してくれた。
「それでなんで俺なんですか?」
「さあ?とりあえず自分を見つけた人間に会わせないと何も話さないとしか」
「分かりました」
「心太、気を付けて。何を考えてるか分からないから」
沙雪さんが心配してくれたが俺には関係なかった。
「大丈夫だろ、心太にはそれを見破る為の目がある」
「そっか」
「とりあえず行って来ます」
俺は部屋を出て隣に移動した。
「どうぞ」
中にいた警察と行き違いになった。
椅子に座りどこから聞こうかと考えていると、ヴェローナが口を開いた。
「俺を探し出したのは君か?」
「ああ」
「そうかなるほど」
「勝手に解決されても困るんだけど」
「それはすまなかったな、だが俺を探し出せるのは河上心太君しかいないと思っていたから」
「俺のことを知っているのか?」
「ああ、君の目の薬の開発に少し関わっていたからな」
「どう言うことだ?」
「さあ、詳しい話は分からないが君は最後の被験者だった」
「最後?」
「ああ、君意外に何人も実験を施したと聞いている」
「なんで俺だったんだ?」
「それは俺にも知らない」
「お前はどこまで知ってる?」
「俺はサマエルの幹部だがその中でも下の部類だから、知りたければボスを探すことだな」
「神鹿狼奈」
「そうだ、彼女は自分と同等の存在を探していた。そこで君が上がって来たと聞いている」
詳しいことは本人に聞けと言うことか、だがそれが出来れば苦労はしない。
「彼女は最初自分と同等の頭脳を持つ人間を探していたがそれは叶わなかった。そして次に目を付けたのは頭脳ではなく異能に近く彼女に着いてこれる人間だ」
「着いてこれる人間?」
「ああ、君の目は異能と捉えてもらって構わない」
俺は言葉にならない怒りや苛立ちに襲われていた。
「なんで俺なんだ?俺の家族は関係ないだろ?」
「それは本人に聞けおれはただ研究をしてそれに疲れたから抜けたいと考えて敢えて捕まった」
「疲れた?こんな非道なことをして?」
「俺はやらされただけ、最初は好きな研究をしていたが組織が不老不死の研究なんてしだしたものだから俺はそれが気に入らなかった」
「不老不死の研究?」
「ああ、上は何を考えているのかは分からないだが人はいつしか死ぬ。だから愛着や様々な感情が生まれるそれは俺にとっては美徳から外れている」
こいつは何を考えているんだ?
何人もの人間の命を奪っていてそれで美徳?
「お前ふざけるのも体外にしろよ!!」
俺はヴァローナに殴りかかろうとした時にマルコや相川さんに止めれられた。
「もういい、後は俺達がやる!!」
「くそ!!」
俺は部屋の外に出ようとした時にヴァローナが言った。
「あのマークの意味は君が言い当てた通りだ、君は本当神鹿狼奈を止められるかもしれないな」
俺は無言で外に出た。
そこでイタリアでの事件は幕を閉じた。




