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ブランシェ

それから俺は色々な事件をフランスで解決した。

現在フランスで事件が頻発していたことが理由だった。

「おはようございます」

「おはよう、心太」

部屋の中には沙雪さんと仁しかいなかった。

「あれ、相川さんは?」

「事務総長からお呼びがかかったの」

「なるほど」

俺がSOに来てから数週間が経った。

「仕事慣れた?」

デスクに着いてパソコンを起動した時、隣から仁が話しかけて来た。

「まあ、SOは居心地はいいですけど他がね」

「まあそうだよな」

俺は学校では良い感じに過ごせてはいたがそれでもインターポールの職員などには、無視されたり話しをすることもできない状態だった。

それが何よりもストレスだった。

「僕は見るなりささっといなくなってしまうので、仲良くしたくもできない」

「まあ人には知られたくないこともあるかなら」

「分かってるよ、僕も僕みたいな人がいれば自ずと関わりたくはないって思ってるから」

「あんまり自分を卑下するな、関わらない人のことまで考えると体がもたないぞ」

「そうだね」


「これだから脆い子供はここに入るべきではなかったんだ」

部屋の入り口を見るとそこには、金髪短髪で痩身、スーツを完璧に着こなす男が立っていた。

「ブランシェ」

仁がぼそっと言った。

こいつは何かとつけてSOに文句を言いに来るのだが大体俺を目の敵にしてくる。いつもは相川さんがこういう対応をしてくれるのだが今いない、こいつのことなのでそれを狙ってきたのだろう。

「なんのようだ、ブランシェ」

「こいつを渡しに」

仁が受け取ったのは資料だった。

「最近サマエルが各国で暴れてる、最近はフランスに拠点ができたと言う噂だったがお前らは何してるんだ?」

「こっちはこっちでやってるよ」

「心配だな~、仕事以外でも子供の子守もしないといけないんだもんな」

「わざわざここに来てそういうこと言うってことは暇なんだな」

「あ?」

俺が口出ししたことが癇に障ったらしい。

「おいおい、俺の大事な仲間に対してそういうことは言ってほしくないな。同じ仕事している身としては」

「相川…」

丁度、相川さんが帰って来た。

「資料は渡したし俺は帰るわ」

「はいはい、頑張って」

ブランシェは帰って行った。

「全くちょこまかと」

「なんなんですかあいつ」

沙雪さんが怒っている。

「まあまあ、今は目の前の仕事しよう」

「それはそうと何しに行っていたんですか?」

「事務総長からお達しだ。これを見てくれ」

相川さんはiPadを俺達に見せた。

「イタリア、ローマの古代遺跡の地下墓地でミイラ化した遺体が大量に発見された。遺体には全員、額に**「天使の羽に貫かれる剣」**のマークが焼き印のように刻まれていた。

地元警察は異常犯罪と判断し、バチカンからのルートでインターポールを経由してSOに要請。遺体の中には、数か月前に「失踪」していた世界中の宗教研究者や高位聖職者たちが含まれていた。」

「なるほど、今度はイタリアですか」

「ああ、問題なのはこの宗教研究者や高位聖職者が殺害されている間にも連絡がとれていたことが問題だ」

「どういうこと?」

「多分成り代わって指示などをしていたのでは?」

「そうだ、誰かが都合がいいように宗教研究者や高位聖職者の端末を使って指示をしていた」

「心太冴えてるね」

「まあ」

「じゃあそう言うことで明日にでも行くから荷物まとめて」

「了解」


それから俺は屋上で煙草を吸っていた。

「河上君煙草吸うんだね」

後ろから声が聞こえたと思って振り返るとそこには相川愛がいた。

「え、なんで?」


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