最初の事件
それから俺のフランスでの学生生活は楽しいものになった。
相川さんは変わらずに接してくれるしマティー達もコミュニティに入れてくれて、学生生活は上手く行っていた。
ただ問題はインターポールだった。
「おはようございます」
「おお、心太来て早々悪いけど事件だ」
「分かりました」
これまでサマエルやマラクが各国で起こしてきた事件をパソコンで見てそれぞれの事件の概要や資料を見て捜査の手伝いをしていたわけだが、現場にでるのは初めてだった。
車に乗って移動を始めて数分たった。
「心太は初めての現場だな」
「そうですね、それで事件の概要もなにも聞かずに来てしまったので教えてください」
「分かった。事件はとあるフランス郊外の静かな住宅街にある一軒家で起こった殺人事件だ」
沙雪さんがファイルを見ながら情報を続けていく。
「被害者は三十代の男性で第一発見者は奥さん。地元警察が到着した時に遺体に天使のマークが刻印されていたことで我々SOにお呼びがかかったしだいだね」
「なるほど」
「詳しいことは現場で、遺体もまだあるから心太の目が頼りになるな」
「今までこういう事件はどうやって解決してたんですか?」
「まあサマエルがこういう事件を起こす場合背景に何かあるから被害者を洗うかんじだな」
仁が話すが此処は出来て日が浅いのでSOとしても重大な一歩となる。
現場に着くと多くの警察官がいた。
黄色いテープが張られてそれを潜ろうとしたら、地元の警察に止められた。
「君」
「はい?」
「部外者は入れないから離れて」
「いや、僕は」
「遊びじゃないんだよ」
「この子は関係者だよ」
先に行った相川さんが入ってくれた。
「相川さん、失礼しました」
結局通してくれたが周りを見ると野次馬は僕を見て驚いていた。
それは当然だった、まだ十代の子供が現場に入って行くのだその反応は正常だった。
「おやおや、これは相川さん」
「モレル久しぶりだな」
相川さんがモレルと言う人の肩に腕を絡める。
「やめろ、俺はお前が嫌いなんだ」
「心太、相川さんが時間稼ぎしてくれてる間に行こう」
仁が俺の腕をとった。
「待て、子供を通すわけにはいかない」
「あいつはいいんだよ」
「相川、お前最近SOだとか新しい組織を作ったみたいだがそれは子供でも通用するような組織なのか?」
「心太は違うんだよ」
「は?」
「心太、行こう」
「はい」
俺は移動しながら先ほどのモレルと言う人について聞いた。
「さっきの人なんなんですか?」
「まあそう怒るな」
いきなり俺に対してなめた態度をとって少しいらついていたので、日本語になってしまっていた。
「まあまあ、モレルは相川さんと交友があるけどまあいびってくるけど優秀な人だし相川さんに対しても真摯な関係だよ」
「本当ですか?」
「ああ、最初に僕らSOに要請をかけたのもモレルだし。僕らSOはまだ出来て浅いから信頼する人はいないけど相川さんは顔が効くから信頼されているんだよ」
「なるほど」




