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インターポール

香坂ひよりの騒動も終わり、俺はいつも通りの生活に戻った。

未解決事件専門捜査室で未解決事件を追いながら、新しい道に立っていた。

「高校入学おめでとうございます」

俺は高校の入学式に出ていた。

ありきたりな学校の説明をされて退屈だったが、新しい生活の中で慣れないといけない。

入学式が終わり、列をなして皆で教室に向かう。そしてドアから入り、席に座る。

ここにいる生徒はこれから一年間一緒に共同生活を送るのだ、ここで遅れをとるわけにはいかない。

とりあえず後ろの席の気の弱そうな子に話しをしようと思ったが、勇気がでない。

なんとも恥ずかしい限りだが、俺は事件が関わればいくらでも気を遣わずに人と話せると言うのに。

暫く教科書などを整理していると、ロッカーの鍵の設定を始目めた時に後ろでおどおどした気配を感じて見てみると上手く設定ができない様子だった。

「やろうか?」

「え?」

「いや、設定できそう?」

「あ、いやそれが上手くいかなくて」

「やろうか?」

「お願い」

「分かった」

鍵の設定は普通にやれば簡単だったが、どうやら後ろの席の子は不器用なようだった。

「できたよ」

「ありがとう」


それから、後ろの席の子とご飯を食べて帰宅することになった。

俺は帰宅することなく未解決事件専門捜査室に向かった。

「班長、お疲れ様差です」

「お疲れ~」

「その様子だと、溶け込めそうにないですね」

「たった一日で溶け込めるか」

「その様子だと暫くだめそうですね」

「うるさい」


蒼真君の言ったことは正しかった。

一か月、二ヶ月経っても俺には一人も友達はできなかった。

「はー」

ため息もでる、授業は受けてご飯は後ろの席の子と食べて過ごした。

部活は入らなかった、部活に入れば少しは友達は出来ただろうけど俺は入らなかった。

でもそんな俺でもサッカー部に勧誘されたこともあった。

最初は断っていたが時間があるときで良いと言われたので、休みの日はサッカー部に顔を出した。所謂幽霊部員と言うやつだ。これがれっきとした部活員とは言えないだろう。


「班長」

「何?」

「さっきから呼んでるんですよ」

「ああ、ちょっと朝に面倒ごとがあってね」

「何かあったんですか?」

「女子高生が痴漢されててそれの対処」

「そうだったんですね」

「まあ、あんなに堂々と痴漢する奴がいるとはね」

「それでその後は?」

「普通に駅員に任せたよ」

「そうですか」

「さあ、仕事だ。何か解決できそうな事件は?」

「うーん」

「どうしたの?」

「班長の目があればどんな事件でも解決できるのでは?」

「うーん、そこまでうぬぼれてはないよ」

「そうですか?」

「うん」

「失礼するよ」

そう言って部屋に入って来たのは京野さんだった。

「はー」

「そうため息つくな」

「京野さん、面倒ごとしか持ってこないじゃないですか」

「いいから来い」

俺は最上階の警視総監の部屋に向かった。

「その後はどうかね?」

「まあ、ぼちぼち」

「そうですか、それでなにか用ですか?」

「河上 心太を本日付けで、国際刑事警察機構インターポール国際犯罪捜査課へ出向を命ずる」

「はい?」

「だから、当該人員は、国内外の未解決重大事件への対応能力を認められ、内閣官房長官および警察庁長官の承認のもと、特例措置としてインターポール日本支部に出向を命ずる」

「いや、断ります」

「え?」

「お前、断るのか?」

「はい、今の仕事で満足してますので」

「河上君、本辞令は極秘裏にインターポール本部へ提出された能力報告に基づく特別採用であり、本人には通達のみ行い、任用理由は秘匿とする」

「だから」

「これは外交に関わることだ」

「俺を政治に使うのか?」

「政治、間違いはない。ただ君の能力はこれから世界で必要になる」

「断ります、では」

俺は外に出て家に帰った。

途中に体調が悪そうな女性がいて、それを助けた。


「ただいま」

「おかえり」

「え?」

リビングに向かうと男の人が二人いた。

「誰だ?」

「どうも、インターポール捜査官の相川だ」

「私はリシャール・ヴェルナー。インターポール本部・対国際凶悪犯罪局 局長だ」


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