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眼鏡

目が覚めたら、自分が居る場所は病院だと直ぐに分かった。

「ここは?」

「河上さん!!」

聞こえないと思っていた聴覚が戻っていたことよりも、大声でドアの前で看護師さんが言うもんだからそれに驚いてしまった。

「僕は…」

「今、先生呼んでくるからそこで待っていて」

「はい」

そうして、暫くして看護師さんが白衣の女性を連れてく来た。

その先生は煙草を加えていた。病院で煙草を吸うなんて非常識な人だと思った。

「名前言える?」

「河上心太です」

「じゃあ次に生年月日」


そのまま自分のことについて質問されたが、それを全部答えると先生は頷きながらiPadで何かを見ながら確認をしていたが、咥えていた煙草をパキット口で折った。

「え?」

「ん?どうした?」

「煙草じゃないんですね」

「これか?流石に院内で煙草は吸わないよ。これはお菓子」

色々と疑問はあったがとりあえず、常識はある人だったらしい。

「あの?」

「どうした?」

「僕は今どう言う状態なんですか?」

「そうだね~、河上は今説明するのは非常に難しい状態なんだけどまずは私の説明だ。私は河上君に主治医の九重 紅葉だよろしく」

「どうも」

「色々気になるだろうけど、私が今説明できるのは君の病状だけだからそ以外は後で来る警察に聞いてくれ」

それで我に返った。家族はどうなったのか。あのピンク色の霧は何だったのか色々と疑問がでたが今、九重さんに聞いても答えてはくれないと思ったんでそれは聞かなかった。

「それで、君の病状だが今の所は原因不明だ」

「え?」

「此処に運ばれてきた時は意識がなかったし、精密検査をしても異常はなかった」

「じゃあ僕は…」

そこでまた、俺の視界は色で溢れてそれで先生の顔も看護師さんの顔も色で見えなくなって吐き気に襲われてそこからの記憶はなくなった。


「あれ?」

気がつくとまた同じ白い天井があった。

「河上心太君」

そこにいたのは、スーツをバシッと着た男の人だった。

「貴方は?」

「斎藤譲だ」

斎藤さんと言う人は厳格な雰囲気を醸し出してた。

「私は警察官だ、君のことを説明する前にこれを」

渡されたのは眼鏡だった。

「これは?」

「かけてみれば分かる」

言われるままにかけると視界には全く景色が見えなかった。

「君が見えてる景色は普通の人が見えるものではない」

それは分かっていたが知りたいのはそう言うことではない。

「まあ簡潔に言うと君の目に見えているのは、人の感情や物の感情だ」

「え?」


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