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意外な関係性

部屋へと戻り舞に電話かける。

『舞?』

『さくら、大丈夫だった?』

舞は焦った様子で訪ねてくる

『大丈夫だよ、二日寝込んだけど』

『ごめんね』

『なにが?』

舞が突然謝ってくる、最初はなんのことか分からなかった。

『私が日向と会わせなかったら、こんなことにならなかったから』

『そんなことないよ、実際日向は私の事を最初から拉致しようとしていたらしいから』

『そうなんだ』

『日向はその、は死んだんでしょ?』

『うん』

『そっか』

今もあの銃声で日向が死んだのが、忘れられない。

やはり、最初から日向には近づくかない方が良かったのに、それでも私には避けられなかった運命なのかもしれない。

『さくら?』

『なに?』

『聞いてなかったでしょう?』

『ごめん』

『気落ちするのも分かるけど切り替えていかないと』

『そうだね』

『先ずはライブだね』

『そうだね』

『やっぱりお洒落しないと』

舞はいつもの様子で変わりなく、なんか気を使われているのかと思ったが今はありがたいと思った。

『私もお洒落しないと』

『そうだよ、折角高倍率の中当たったんだから』

『そうだね』

『じゃあ風邪に気を付けないとね』

『うん、じゃあこの辺で』

『そうだね、じゃあ当日に』

『うん』

そうして電話を切り、リビングに戻る、時刻は夕方まだ夕食には時間があったため高坂さんに紅茶を出してもらうことにした。

「女子は紅茶が好きだな」

河上君がベランダで煙草を吸い終わって、リビングに戻ってきた。

「明日は何処か行くのか?」

「うん、乃木坂のライブに行くんだ」

「乃木坂?どっかで聞いたことあるような?」

河上君は考え込んでいると高坂さんが思い出せるように、話しかける。

「仕事でしょう、ちゃんと覚えていてください」

「そうだったな」

「仕事?」

「乃木坂のメンバーがサマエルに狙われるらしく、その護衛の仕事です」

高坂さんが簡単に説明してくれたが、それに驚きを隠せなかった。

「仕事ってどういう事?」

「まあ、護衛対象を守るってことだよ」

「それは分かっているけど、って言うか乃木坂知らなかったの?」

「悪いがアイドルに興味がないんだよ」

「だからって知らないことはないでしょ」

「なんだか熱があるな」

「だって今はアイドル戦国時代だよ」

自分でも熱くなっているのが分かったがそれでも、乃木坂を知らない人がいるなんて信じられなかった。

「これでも少しは勉強したんだぞ」

「そうですね、最初聞いた時は渋谷の坂だとか言っていましたもんね」

「そこまで俺の頭にアイドル知識は必要ないんだ」

「まじかー」

「まあ、でも少し興味持ちましたよね」

「まあな」

ここで河上君が乃木坂に、知った経緯が気になった。

「なんで、知ったの?」

「親戚に乃木坂のアイドルがいたんだよ」

「え?」

「まあそれを知ったのは最近だけどな」

親戚とは言っているけど、まさか知り合いに乃木坂の関係者がいるとは思いもしなかった。

「何処で知ったの?」

「それも仕事だよ」

「どんな?」

「少し前から、護衛対象に懸賞金がかけられたからその護衛を一日だけやったんだよ」

「その話詳しく」

「面倒くさいな」

「いいじゃん、ってか誰なの?」

「大神彩ってやつ」

「それって最近、滅茶苦茶人気な子じゃん」

私は興奮が抑えられず話を聞くのに集中した。

「話すと長いが、仕事で女子高にいたんだ」

「それって合法?」

「当たり前だろ」

「でも、女子高に潜入ってどうやって」

「まあ、詳しく話すから黙って聞いていろ」

「分かった」


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